「Facebookおじさん」という言葉をご存じでしょうか。若者がFacebookにいるおじさんたちを揶揄(やゆ)して付けた呼び名です。この呼び名がネットで流行し、筋トレ報告、残業自慢、タグ付けによる人脈アピールなど、中年世代がよくする投稿に嫌悪感を抱いている若者が多いことが浮き彫りになりました。

 総務省が2018年7月に発表した「平成29年情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書」によると、主なSNSの中でFacebookを最も利用している年代は20代の52.3%、続いて30代、40代、50代、10代、60代と続き、中年世代だけが利用しているサービスではありません。ただ、若い世代は複数のSNSを積極的に活用する傾向にあるため、Facebookによくいる年代が「おじさん」という印象になるようです。

 ある女子大生に聞いてみたところ、実名で「友達」と深くつながるFacebookは「重い」とのこと。20代男性たちは、大学生のときにアカウントを取得したけれど、上司や同僚には「アカウントはあるが利用していない」と嘘をついているそうです。自分のプライベートを職場の人にのぞかれたくないことや、おじさんの自慢に付き合いたくないなど、現実世界をネットでも続けることに強い抵抗を感じるのでしょう。

 Facebookは最も「SNS疲れ」を起こしやすいSNSだと私は考えています。先ほどの意見のように、リアル社会と結びつくだけでなく、これまでの人間関係が友達全員につまびらかになるからです。学生時代の友人とのおふざけ投稿を上司に見られてコメントされたら、おおらかな人でも受け入れ難い気持ちになりますよね。一方、仕事関係の交流がメインとなった中年世代は、Facebookにそれほどストレスを感じないのかもしれません。

情報漏洩が続くFacebook

 ところで、米フェイスブックは2018年に入ってから立て続けに情報漏洩問題を起こしています。まず、4月にユーザー情報8700万人分が英国のデータ分析会社に渡ったことが明らかになりました。このデータは米国の大統領選挙や英国の国民投票にも利用された可能性があると報道されています。9月には、約5000万のアカウントに対して乗っ取りが可能な脆弱性が見つかり、予備的措置としてさらに4000万のアカウントがリセットされました。この時期、Facebookアプリに再ログインを求められた人はこの脆弱性の対象となったアカウントということになります。

 個人情報を登録することで、同級生と再会を果たしたり、より便利に連絡できたりといったメリットがある半面、ネットに一度流れた情報は二度と消すことができないという事実もあります。フェイスブックは以前、「アカウントの安全のために」と携帯電話番号の登録を盛んに促していましたが、9月の脆弱性の発覚では携帯電話番号の流出も認めています。これからフェイスブックはセキュリティ対策に力を入れていくと発表していますが、漏らされては困る個人情報を登録しているのであれば、今からでも削除しておくと安心です。

出典:日経パソコン、2018年12月10日号、同名コラムより
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