若者が「YouTube」をよく見ていることは知られていますが、恐らく大人の想像以上にYouTubeは彼らの生活に溶け込んでいます。MMD研究所が2021年9月に発表した「動画視聴に関する利用実態調査※1」によると、10代の98.0%が1日のうちにYouTubeを視聴する習慣があるそうです。平均視聴時間としては、1~2時間未満が最も多くなりました。一方で3~4時間未満と回答した人の割合も、10代では14.0%と他の世代より高くなっています。

※1「動画視聴に関する利用実態調査」MMD研究所(https://mmdlabo.jp/investigation/detail_1993.html

 外出先から帰ってきて一息ついたとき、大人はテレビをつけますが、10代はYouTubeを視聴しています。寝る前や食事中に見ている人も多いですね。リラックスしているときだけでなく、電車での移動中に見ている人も珍しくありません。

 あまりYouTubeを視聴しない大人にとっては、若者がYouTubeで何を見ているのか、疑問に思うことでしょう。テスティーが2020年9月に行った調査※2では、10代男子は「ゲーム実況(68.5%)」が1位でした。自分でゲームをするのではなく、誰かがゲームしている様子を視聴することで、技を学んだり、「あるある」と共感したりして楽しむのです。

※2「YouTuberに関する調査」テスティー(https://lab.testee.co/youtuber_2020

 10代女子の1位は「美容・ファッション(49.2%)」。ヘアアイロンで髪を巻くところや素顔にメイクをしていく動画は非常に人気があります。このメーカーの商品を使うとこうなるといった商品情報やメイクのテクニックなどが、動画ならリアルに分かるからです。

YouTuberは身近な存在

 毎日視聴するYouTubeだからこそ、動画を投稿するユーチューバーへ親しみを持つことも当然です。将来の夢にユーチューバーが挙がるようになってから久しいですが、自分がなりたいとまでは思わなくても、人気のユーチューバーを毎日チェックしている人は多いのです。それは、大人が毎日のようにテレビに出てくる芸能人やタレントのファンになることと、それほど変わりありません。

 10代にとってユーチューバーは芸能人と同じ。ユーチューバーの誰と誰が付き合っているといったうわさがSNSで駆け巡ったり、ユーチューバー同士が揉めている様子を両者の動画を見てハラハラしたり。迷惑系ユーチューバーが炎上したときは友人と議論するなど、ネット上で目まぐるしく展開するユーチューバーの動向をごく身近に楽しんでいます。当事者の声がリアルタイムに届くのですから、臨場感が違いますよね。

 最近はテレビにユーチューバーが出ることが増えてきました。動画で盛り上げ方を学んでいる彼らは、特にバラエティー番組で力を発揮します。反対に、テレビに出ていた芸能人がYouTubeにチャンネルを開設することも増えました。テレビでは人気者でもチャンネル登録者数が増えないケースもあり、苦労している人が多いようですが、若い世代に知られるきっかけにもなっています。

 テレビとYouTubeは、放送とネットという以外にもさまざまな違いがあるメディアですが、出演者を通して視聴者層が近づいていくかもしれませんね。

出典:日経パソコン、2021年11月8日号、同名コラムより
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