突然ですが、ダルゴナコーヒーをご存じですか?「2020年上半期ティーンが選ぶトレンドランキング」(マイナビティーンズラボ)の「流行ったモノ」部門で2位になった、韓国発のドリンクです。新型コロナ禍でカフェに行けなくなった女子たちが家で作り、Instagramに投稿することで人気を呼びました。

 スイーツだけでなく、実は数年前から、女子中高生を中心に熱烈な韓国ブームが来ています。大ヒットした韓国ドラマ「冬のソナタ」に代表される第1次韓流ブーム、少女時代や東方神起などK-POPアイドルによる第2次韓流ブーム、そして今はグルメ、ファッション、音楽を主軸とした第3次韓流ブームなのです。

 グルメに関しては、数年前から韓国式アメリカンドッグ「チーズハットグ」や甘辛い鶏肉や野菜にチーズを絡める「チーズタッカルビ」が人気になりました。新大久保に行くと、カラフルなチーズハットグを売っていて、かぶりついてチーズが伸びる様子をInstagramやTikTokに投稿する人が続出しました。今は前述のダルゴナコーヒーやフライドチキンに溶けたチーズを付けて食べる「UFOチキン」などが人気です。チーズがとろけて伸びる様子が、動画で撮影すると映えることもヒットの理由でしょう。

 そして、コスメやファッションも大人気。韓国メーカーの化粧品ブランドは原宿などに店舗を出店し、店内にはInstagram用の写真を撮れるスポットも用意されています。韓国コスメの特徴は買いやすい価格とパッケージのかわいらしさ。こちらもインスタ映えするわけですね。

 音楽に関しては、男性アイドルグループ「BTS」や女性アイドルグループ「TWICE」を先頭に、歌もダンスも上手なアーティストが人気を博しています。BTSは2020年8月に発売した曲が全米シングルチャート(Billboard Hot 100)で1位を獲得するなど、その魅力は日本以外でも爆発しています。流行に敏感な10代女子が見逃すはずはありません。TikTokにも韓国アーティストをまねたダンスが多数上がっています。

韓国文化に憬れる若者たち

 韓国への憧れは「#韓国っぽ」というハッシュタグを見ると分かります。韓国アイドル風のメイクやファッションを楽しんで自撮りしています。自分のプロフィールや投稿の本文をハングル文字で書いている人も少なくありません。ある女子高生は「ハングル文字は自分で勉強した」と言い、LINEのプロフィールにもハングル文字を記載していました。韓国好きの仲間にしか読めないところも楽しいのでしょう。

 彼女たちは「韓国人みたいでかわいい」と褒め合います。大人世代は欧米人に憧れる人が多かったと思いますが、価値観はずいぶん変わっています。同じアジア人同士、まねしやすいところもあり、でも異国のミステリアスさもあり、という点で韓国に引かれているのだと思います。

 最近では「チャイボーグ」と呼ばれるメイクもはやり始めています。これはサイボーグのように完璧な美しさを持つ中国人を指す言葉です。これから中国のカルチャーも10代に人気になっていくのでしょうか。

出典:日経パソコン、2020年11月23日号、同名コラムより
記事は執筆時の情報に基づいており、現在では異なる場合があります。