新型コロナ禍では、さまざまな噂がネット上に飛び交いました。「新型コロナウイルスは熱に弱いので26℃のお湯を飲めば感染が予防できる」「近々ロックダウンの発表がある」など、皆さんも目にしたかもしれません。こうした虚偽の情報を「フェイクニュース」と呼びます。

 フェイクニュースは主にSNSで拡散していきます。Twitterでリツイートされてきた投稿を見たり、知り合いがFacebookやInstagramにシェアしたり。LINEなどのメッセージや電話などで友人からじかに伝えられることもあります。

 フェイクニュースは災害など、人々が心に不安を抱えているときほど発生します。まさかと思うような、インパクトの強い内容であればあるほど拡散力が高くなります。

 「2019年3月 中高生のニュースに関する意識調査」(MMD研究所)によると、フェイクニュースを見破る自信があると回答した人は47%。男子は中高ともに見破る自信が高めで、女子高校生が29.1%と最も低い結果となっています。そして、実際に「だまされたことがある」と回答した人も、女子高校生がトップです(35.3%)。さらに、フェイクニュースをリツイート、もしくは家族に話すといった方法で拡散してしまった経験を持つ中高生は、61%にも上っています。

 中高生は、ニュースサイトやニュースアプリから情報を仕入れることはまれです。ニュースはテレビ、もしくはSNSから知ります。Twitterでは、「トレンド」に入ったもの、フォローしているアカウントがツイート、またはリツイートしたものを見ています。

 また、Instagramの「ストーリーズ」で誰かがニュース記事のスクリーンショットを貼り付けたことから知るケースもあります。スクリーンショットの場合、もちろんニュース記事の本文は読めません。記事タイトルと要約文、または友達の解説から内容を知ります。

 「2019年6月ニュースに関する年代別意識調査」では、「タイトルも中身の文章もしっかり読んでいる」と回答した10代は4割に満たない結果となりました。記事のタイトルや画像から判断している人が多いことが分かります。

RT前に警告を出す新機能

 SNSの投稿以外では、LINEアプリにある「ニュース」タブからニュースを知ります。ここには「LINENEWS」が提携している新聞や雑誌、Webメディアの記事が掲載されています。それぞれ記事を配信している企業は異なるのですが、配信元を意識している人は少ないようです。

 大手メディアの記事なら安心ですが、人の噂から生まれたフェイクニュースを拡散することは、世の中のためにならないだけでなく、個人の名誉毀損に直結することもあります。Twitterでリツイートするだけでも罪に問われる可能性があり、注意が必要です。

 そして、プラットフォーム側も手をこまぬいているわけではありません。Twitterは2020年10月に、リツイートまたは引用ツイートしようとするとリンク先の記事を読むことを勧めるダイアログを表示するようになりました。中高生はリツイートを頻繁にする傾向があるため、抑止力となりそうです。

 フェイクニュースを見破ることは時に難しいですが、記事の内容を読んで不確かだと感じたら検索をする、といった経験を積んで、ネットリテラシーを学んでほしいですね。

出典:日経パソコン、2020年12月14日号、同名コラムより
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