小型で持ち運び可能なデジタルサイネージ「小型マルチディスプレイシステム」です(図1)。一般的なデジタルサイネージは大型のディスプレイ装置を利用するため、持ち運ぶには大型の車両を用意するなど手間がかかりました。また大型ディスプレイを動かすための電源コンセントを用意できる場所でなければ設置できませんでした。

図1 「小型マルチディスプレイシステム」の外観
図1 「小型マルチディスプレイシステム」の外観
「ホスト機」「セル機」「スピーカー機」のすべてで「Raspberry Pi 3 Model B+」を実装している。
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 今回製作したシステムでは、7インチサイズのタッチパネルを複数台接合することで、1台の大型ディスプレイとして利用できるようにしました。バッテリーを内蔵しているため、電源を用意できない場所でも設置できます。

 システムは、広告などのコンテンツを表示する「セル機」、音を出力する「スピーカー機」、これらと連携してコンテンツの表示を制御する「ホスト機」で構成しています。すべて同じサイズ、同じ形状となるように専用のきょう体を製作しました(図2)。

図2 今回のシステムのために製作したきょう体の外観
図2 今回のシステムのために製作したきょう体の外観
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 セル機は、複数台を接合することで一つの大きなディスプレイ装置として使えます。表示面を前後左右の四方向に向けた状態で接合することも可能です。これにより、3次元の立体的なコンテンツを表示させることを可能にしました。セル機には赤外線の送受信モジュールが組み込んであります(図3)。接合したときに隣り合うセル機同士が赤外線通信することで、接合の状態と位置関係を自動で認識します。

図3 平面接合で隣り合う2台のセル機を上から見た平面図とメイン基板の外観
図3 平面接合で隣り合う2台のセル機を上から見た平面図とメイン基板の外観
セル機同士の接合状態と位置関係は赤外線通信で自動認識できる。
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 ホスト機とセル機、スピーカー機は、それぞれに実装したラズパイの無線LAN機能を使ってコンテンツや制御情報などをやり取りしています(図4)。ホスト機では、コンテンツの選定や再生、セル機の接合状態の確認などをタッチパネルのGUIから操作できます。

図4 ホスト機とセル機、スピーカー機が連携する仕組み
図4 ホスト機とセル機、スピーカー機が連携する仕組み
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