「エコラン耐久競技」と呼ぶ自動車競技を支援するシステムです(図1)。エコラン耐久競技とは、決められた燃料量で数時間を走り切り、その間の周回数を競うカーレースです。上位を狙うには「サーキット1周当たりの消費燃料量」といった燃費データをリアルタイムに把握することが重要になります。また、ピットとドライバーのコミュニケーションも重要で、これまでもビットからの指示をサインボードでドライバーに伝えていましたが、ドライバーが見落としてしまうことも多くありました。逆にドライバーからピットへの連絡手段はかなり限られていて、ピットの前を通過するときにドライバーが手を振ったりヘッドライトを点滅させたりするといったやり方でした。

図1 システムの全体像
図1 システムの全体像
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 今回製作したシステムでは、自動車の燃費データを1分おきにラズパイで収集し、インターネット経由で「Googleスプレッドシート」に保存しています(図2)。ピットではGoogleスプレッドシートで刻々と変化する燃費データを参照できます。同じ燃費データは7セグLED表示器にも表示されます。

図2 燃費データを保存した「Googleスプレッドシート」の画面と使い方
図2 燃費データを保存した「Googleスプレッドシート」の画面と使い方
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 7セグLED表示器は、ピットからドライバーへの連絡手段としても利用します。Googleスプレッドシートでは、セル「E2」の内容が7セグLED表示器に表示される仕組みになっているので、同セルに、さまざまなメッセージに対応した4桁のコードを入力します。7セグLED表示器には、入力したコードに対応するメッセージが表示されます。例えば「9000」と入力すると、7セグLED表示器には「Pit」と「In」が交互に表示されます。これは「ピットインせよ」という指示を意味しています。

 表示されたメッセージに対して、ドライバーはボタンユニットの緑色のボタンを押して応答します。ボタンユニットはドライバーからピットへの連絡手段として利用します。緑色のほかにも白色と赤色があり、白色は「ピットインの要求」、赤色は「緊急事態発生の通知」のメッセージを送信します。

 7セグLED表示器とボタンユニットを使ってやり取りしたメッセージは、すべてチャットアプリ「Slack」に自動投稿されます。これによってピット側でドライバーからのメッセージの見落としを防いでいます。

 ラズパイの電源はモバイルバッテリーを利用しています。万が一、レースの最中にモバイルバッテリーの不具合が発生しても、ラズパイを起動したまま即座に交換できるように、乾電池をバックアップ電源として使うようにしました(図3)。

図3 本体の内部
図3 本体の内部
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