船舶に取り付けた360度カメラで周囲の船舶を自動認識し、衝突など事故の危険性が高いときは警告音で知らせてくれるシステムです(図1)。360度カメラはシャチのぬいぐるみに取り付けておくことから「Sha-chi」と名付けました。周囲を見渡せる場所にぬいぐるみを設置し、電源を入れるだけで使い始められます。

図1 システムの概要図
図1 システムの概要図
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 船舶の検出には、深層学習の一種である物体検出アルゴリズム「YOLO V3(4)」を、フレームワークの「Darknet」に実装しました。学習用の船舶の写真は1万8772枚を用意。それらを射影変換や縮小などの幾何学処理で水増ししました。さらに夜間の画像が少なかったことからk平均法でクラスター分けしてグレースケール化し、疑似的な夜間の画像を作成しました。最終的に約22万枚の学習用画像を用意。これらで学習したモデルを使い、360度カメラで3秒おきに撮影した画像から船舶をリアルタイムに検出しています。

 検出した船舶に対して「テンプレートマッチング」と呼ぶ手法で進路を予測しています。連続撮影した2枚の画像の背景の差分から自船の移動分を求め、その情報を加味した上で同じ2枚の連続画像から、検出した船舶が動いた方向を求めます。危険と判断したときは警告音を出力します(図2)。

図2 「Raspberry Pi 4 Model B」の4Gバイト版と警告音を出力するポータブルスピーカー
図2 「Raspberry Pi 4 Model B」の4Gバイト版と警告音を出力するポータブルスピーカー
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