「8 bit」は超電導量子コンピュータのQPU(Quantum Processing Unit)内部の量子ビット(Qubit)の動きを、クラドニ図形を用いて視覚化する教育用のシステムです(図1)。クラドニ図形とは振動する物体の様子を視覚化する手法です。振動する板に砂をまくと、振動が強い部分と弱い部分の差から幾何学的な模様が生まれます。

図1 作品の全体像。16台のラズパイ4を使い、量子演算の結果としてスピーカーにクラドニ図形を描く
図1 作品の全体像。16台のラズパイ4を使い、量子演算の結果としてスピーカーにクラドニ図形を描く
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 8 bitでは作品名の通り、8ビット分のQubitの状態を8台のスピーカーシステムで表現します(図2)。量子コンピュータでは演算することで各Qubitの量子エネルギー量が変化するので、演算のたびにクラドニ図形が変化する様子が観察できます。

図2 スピーカーはジャンク品を集め、3Dプリンターで作ったフレームの天面に鉄板を取り付けた
図2 スピーカーはジャンク品を集め、3Dプリンターで作ったフレームの天面に鉄板を取り付けた
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 QPUの部分のハードウエアは電波受信機とラズパイ4の組み合わせによるものです。量子ビットのシミュレーションや量子ゲート処理を行うファームウエア「GR-Quantum」を独自に開発しました。電波信号処理ソフトウエアの「GNURadio」と組み合わせることで、大がかりな超電導量子回路を用意せず、電波による共振現象を使って量子ビット演算のシミュレーションが可能になります。

 Qubitを使って演算するには外部から電波を与える必要があります。この制御もラズパイ4で実現しています。演算の結果は電波の強さとしてQPUに保持されており、この強さをパワーアンプで音の強さに変換してスピーカーにQubitの状態をクラドニ図形として表示します。

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