2017年8月3日~4日に大阪市で開催されたICT(情報通信技術)活用教育に関する展示会「関西教育ICT展」では、多数のセミナーやパネルディスカッションが開かれた。これらの中から、大学におけるICT活用教育に関する注目セミナーの内容を紹介しよう。

セキュリティと著作権侵害のリスクをリアルに議論

 まず初日に開かれたパネルディスカッション「セキュリティと著作権 教育現場のICT活用、2大リスクにどう対処するか」では、ICT活用拡大の一方で高まるセキュリティや著作権侵害のリスクにどう対処すればよいのか、3人のパネリストを招いて議論した。

パネルディスカッション「セキュリティと著作権 教育現場のICT活用、2大リスクにどう対処するか」で講演した3人。左から、大阪教育大学の片桐昌直氏、北海道大学の重田勝介氏、横浜国立大学の田名部元成氏

 大阪教育大学 教育学部教育協働学科理数情報講座 教授/科学教育センター長/学長補佐(組織改革担当)の片桐昌直氏は、同大学におけるセキュリティと著作権教育の現状と問題点について報告した。同大学では、教員養成課程と教育協働学科の新入生についてはノートPCの必携化を始めた。同時にICT活用の基礎的な能力を身に着けるカリキュラムも導入。こうした必修化に対応するため、LMS(学習管理システム)の「Moodle」を活用したり、日経BP社の教材サービス「日経パソコンEdu」を取り入れたりしている。

大阪教育大学は、新入生のノートPC必携化とICT活用能力を身に着ける基礎的なカリキュラムを導入
(出所:大阪教育大学)

 今後の課題として片桐氏は、「IDやパスワードの扱いに対するセキュリティ意識が低い学生がいる」ことや、「教員養成課程の学生として著作権に対する正しい理解と行動ができるようになること。特に実際の教材作成などで著作権侵害に関する理解が行動に結び付くようになることが重要」と語った。