続いて、北海道大学 情報基盤センター准教授/高等教育推進機構 オープンエデュケーションセンター 副センター長の重田勝介氏は、オープンエデュケーションセンターにおける著作権処理のフロー、CSIRT(Computer Security Incident Response Team)設置によるセキュリティ体制の構築、高等教育機関におけるBYOD(個人所有端末の持ち込み)実施状況の調査の3点について講演した。

 同センターでは、オープンな教材作成のため、教材を作成した教員から使用許諾を得る、教材に含まれる図や写真といった著作物の著作権者に連絡して許諾を得るといった作業をしている。こうした努力により、著作権上の問題のない教材を作成できる。

 重田氏によると、「著作権者は教育利用には比較的寛容」で、第三者著作物のうち32%は利用許諾の定めに従って使用できた。そうでないものについては申請したが、申請したもののうち92%が無償で使えたという。ただし、「これは申請が通りそうなものを選んだ結果であることに注意が必要」(重田氏)という。また、BYODについては、重田氏が部会の主査を務める大学ICT推進協議会(AXIES) ICT利活用調査部会が実施した「⾼等教育機関におけるICTの利活⽤に関する調査研究」の報告書を、2017年12⽉に公開する予定だという。

重田勝介氏の講演では、オープンな教材(Open Educational Resources)を整備するために必要な著作権処理のフローが紹介された
(出所:北海道大学)

 横浜国立大学 国際社会科学研究院 教授/情報基盤センター センター長の田名部元成氏は、同大学における具体的なセキュリティ対策を紹介した。これまでに発生したセキュリティ事故に対して従来の体制が十分に機能しなかったことなどから、システム再構築のためのタスクフォースを設けて情報セキュリティ対策基本計画の策定を進めているという。また、2017年度中にLMSを活用した教職員向け情報セキュリティ教育を試行する計画を明らかにした。LMSの機能を使って、情報セキュリティに関するニュースを配信。さらにLMSで提供する教材やテスト、日経パソコンEduなどを使って学ぶ仕組みだ。

横浜国立大学が試行を予定している教職員向け情報セキュリティ教育の概要。情報セキュリティに関するニュースとLMSの教材やテストを連携させる
(出所:横浜国立大学)