大学入試ではeポートフォリオのポータルが始動へ

 大学と高等学校の双方の関係者が注目したのが、「大学入試が大きく変わる~文部科学省大学入学者選抜改革推進委託事業(主体性等分野)の現場から~」と題されたセミナー。関西学院大学 学長特命 高大接続センター次長の尾木義久氏が講演した。高校と大学の教育と入試改革を一体的に進める中で、高校におけるいわゆるeポートフォリオの活用とポータルサイト構築の提案があった。

 大学が入学者選抜で「主体性をもって多様な人々と協働して学ぶ態度」を評価するのは、従来の入試制度は難しい。高校からの調査書があっても、記載内容やエビデンスとなる資料が不足しているなど問題が多い。例えば、「生徒が活動した内容を忘れてしまったり、活動内容を教師が確認できなかったりして内容の信ぴょう性が不十分」(尾木氏)という。

 その点、「調査書のデジタル化、ポートフォリオの活用によって問題を解決できる」(同氏)という。具体的には、高校在学中の学習内容、主体的に取り組んだ活動、受賞歴、資格試験などの項目を蓄積したeポートフォリオを作成し、大学は入学者の選抜に利用する。eポートフォリオと大学のWeb出願をつなぐ高大接続ポータルサイト「JAPAN e-Portfolio」(仮称)の準備も進めているという。

 会期2日目に開かれたセミナー「広島大学におけるパソコン必携化の現状と課題」では、広島大学 副学長(情報担当)/情報メディア教育研究センター教授の相原玲二氏が、同大学で2015年度から始めたPC必携化の取り組みを紹介した。2017年度の状況は、学部新入生2547人のうち95%がPCを所有し、学内の全教室に無線LANのアクセスポイントを設置しているという。さらに、ノートPCを充電する設備や保管ロッカーも整備した。

広島大学におけるPC必携化の取り組みを紹介した同大学の相原玲二副学長

 学部新入生が購入したPCのうち、大学生活協同組合(大学生協)で販売したものが72%を占めるという。広島大学生協では2機種に絞ってオリジナルPCを販売した。一つはマイクロソフトの「Surface Pro 4」で、もう一つはアップルの「MacBook Air」(13インチモデル)。販売機種は、約50名の学生スタッフがPCを実際に使って決めているという。

広島大学生協が販売するオリジナルPCは、大学が提示した仕様に基づいて8~10機種程度に絞った後、学生スタッフが実際に使って選定している
(出所:広島大学の投影資料)