実際に小田部教授の授業を受けた権藤氏は、教科書を持ち歩かなくてすむなど電子教科書利用の実感を披露。大学生協の電子書籍サービスを担当している森川氏は、PDFを基に電子書籍を作成できたり、ページ上に手書きでコメントを書き込めたりなどの電子書籍ビューワーの機能や授業での活用方法を解説した。また、土橋氏は、学生向けに大学生協が提供しているパソコン講座のテキストに電子書籍を導入した事例を紹介した。

 議論の最後に北村准教授は、学生の授業参加や教員の授業改善などに電子書籍が役立つ可能性を指摘。まずは紙媒体を電子書籍化して授業に使うだけでも効果が出るのでは、とまとめた。

佐賀県の職員研修にeラーニングを活用

 2日目には、ICT(情報通信技術)を活用した教育についての分科会を開催。教育の実践事例の発表やワークショップなどがあった。教育や研修の分野では、eラーニングやLMS(学習管理システム)の活用が盛んになっている。実践事例でも、こうした分野の発表が多く見られた。

 佐賀大学全学教育機構クリエイティブ・ラーニングセンター特任助教の古賀崇朗氏は、佐賀県の職員研修にeラーニングを活用した事例について発表した。同センターと佐賀県自治修習所の共同研究によるものだ。

佐賀大学全学教育機構クリエイティブ・ラーニングセンター特任助教の古賀崇朗氏は、佐賀県の職員研修にeラーニングを活用した事例について発表した

 職員研修向けに動画教材を作成し、LMSの「Moodle」で配信している。2017年10月時点で41の教材を開発。職員はインターネット経由で、自宅からでも研修を受けられる。eラーニングの開始は2014年度で、毎年3000~6000人程度の職員をLMSに登録している。会計に関するコンテンツの利用が定常的に多いという。

職員研修向けに動画教材を作成し、LMS(学習管理システム)の「Moodle」で配信している