インターネット利用の危険性やモラルに関連する発表もあった。その一つ、「リスクのある通信端末利用が実際にネットトラブルを招くことの検証」では、三重県玉城町立玉城中学校の岩森正治教諭ら3名が、トラブルの元になる行為の経験がある生徒とない生徒を比較した。

 中学1年生~3年生を対象にアンケートを実施した結果、インターネット利用時に個人情報の管理が十分にできていない生徒群は、知らない人や店などからのメール、チェーンメールや迷惑メールを受け取る割合が高かった。実際に有料サイトで課金されたり、個人情報を流出させられたりする割合も、個人情報をきちんと管理している生徒群よりも高かった。同時に、インターネット利用におけるリスクが高い生徒群は、学習時間が短くて就寝時間が遅く、結果として寝不足、集中できない状態になっているという。

インターネット利用時に個人情報の管理が甘い生徒(グラフのA群)は、そうでない生徒に比べ、「チェーンメールの受け取り」リスクが2倍、「個人情報を流出させられる」リスクが10倍にもなるという
(出所:岩森正治氏の発表資料)
SNSなどで悪口を書いたり嫌がらせをしたりしたことのある生徒(グラフのI群)は、さまざまなネットトラブルに遭遇した割合が、そうでない生徒に対して非常に高いという発表もあった
(出所:岩森正治氏の発表資料)

 なお、これらを含めて発表会の論文集は、JAETのWebサイトで公開されている。

情報化が進んだ優良校と地域を表彰

 全体会では、2017年度の学校情報化先進校と学校情報化先進地域が表彰された。先進校の表彰を受けた学校は、「教科指導におけるICT活用」の分野が、つくば市立春日学園義務教育学校、東京都日野市立平山小学校、愛知県春日井市立出川小学校、「情報教育」が大阪府大阪市立昭和中学校、「校務の情報化」が熊本県高森町立高森中央小学校。学校情報化先進地域として表彰されたのは、東京都日野市教育委員会、滋賀県草津市教育委員会、佐賀県武雄市教育委員会だった。表彰式後のシンポジウムでは、表彰された学校や教育委員会の代表が成功要因について発表し、意見が交わされた。

大会初日には、「学校情報化先進校・先進地域から情報化の達成・成功要因を探る」と題してシンポジウムが開かれた

 表彰校の一つ、愛知県春日井市立出川小学校では、実物投影機やプロジェクターといった提示型の機材の活用から始めて、タブレット端末の導入など段階的に整備していった。「教員向け研修の充実と水平展開、日常的に使用したことが成功のポイント」だという。そのほかの学校からも、ICT活用教育の推進には「日常的な活用」「安定した運用」「長く継続すること」が欠かせないという意見が出た。