いきなりプログラミングに取りかかるのでなく、商品カードや計算シートを使った「ワーク」も用意。頭や手を動かして計算ロジックを考え、それをプログラムに置き換えていく過程を体験する。

商品の組み合わせを考えさせるワークを用意
(出所:新日鉄住金ソリューションズ)
ワークでは、紙のカードなども利用する
(出所:新日鉄住金ソリューションズ)

金融系SEならではの発想から開発を提案

 今野氏は金融分野のSEとして、複雑な数値計算を扱うプログラム開発を長く手掛けてきた。ユーザーの目には直接触れないものがほとんどで、「ユーザーインタフェースすらないものも多かった」(今野氏)。だが、現実社会で使われているシステムの根幹は、そうした処理が支えている。「本当にITが生きるのは、目に見えない裏の部分。その面白さを子どもたちにも伝えたい」。そんな思いを以前から抱いていた。

新日鉄住金ソリューションズ 金融ソリューション事業本部 市場系ソリューション事業部 市場系システムエンジニアリング第四部 第2グループ エキスパート 今野奈穂子氏

 一方で、顧客である金融機関では、子どもたちに対する金融教育に取り組む動きが活発化していた。将来にわたって金融業界を発展させるには、金融に対する正しい知識を子どものうちから習得してほしいという狙いだ。

 金融教育とプログラミングを組み合わせることで、こうしたニーズを満たせる教材が作れるのではないか。 金融系SEならではの発想から、今野氏は教材の開発を自社に提案。2016年に正式なプロジェクトとして発足し、今野氏がほぼ一人でK3Tunnelを作り上げてきた。

 2017年8月には、K3Tunnelを使ったプログラミング教室を小学校で開催。「家電買いかえ大作戦」でお金を題材にプログラミングを学ぶ学習をしたところ「とても好評だった。子どもたちは、我々の想定以上にスムーズにミッションに取り組んでいた」(今野氏)。そこで、社外へのサービス提供を開始した。

 K3Tunnelは、学校教育の現場には無償で提供する。同社のCSR活動の一環との位置付けだ。プログラミングスクール事業者との協業や、個別カスタマイズへの対応などでの収益化も目指す。同時に様々な教育機関などと連携しながら、コンテンツの充実を図る計画という。