プログラミング学習の導入には教師のマインドセットの転換も必要

 今回の京陽小学校の取り組みのように、学習指導要領に基づいた教科学習の中にプログラミングを取り入れる実践は、今後の小学校におけるプログラミング学習の発展に欠かせない。その一方で阿部氏は、プログラミングの学習自体が子供たちの主体的なものづくりを基に展開される学習であることを強調した。プログラミングの学習では先に知識を詰め込むのではなく、作りたい作品を制作する過程で知的な枠組みや概念が同時に構築されるという考え方であり、専門用語では構築主義と呼ばれているものだ。

 ゆえに、子供の年齢に関係なく、彼ら・彼女らは教師以上の作品を作り上げる場合がある。複数の子供たちがプログラミングで作品づくりに取り組めば、それぞれの課題解決に取り組むため一斉授業の形をとることも難しい。そのため、阿部氏は、「教師は子供の発想や理解を助けるファシリテータの役割に変わらなければならず、教師主体から児童主体にマインドセットを転換してプログラミングの学習を進めることが重要である」と述べた。

 このようなことは、昨今、注目されているアクティブラーニングでも指摘されている。問題を解決するために深く考え,実行するために試行錯誤して粘り強く取り組み,可視化して表現し,社会・世界や他者と関わっていく。この姿勢は、プログラミング学習の過程においても重要だといえるだろう。“学習者がどのように学ぶのか”その視点でプログラミングを捉えることができれば、学びの選択肢の一つとして小学校でも受け入れられる日が来るのではないだろうか。

 京陽小学校における取り組みの知見は今後、小学校で導入が検討されているプログラミング学習の貴重な参考事例となるだろう