30数年前に一世を風靡したマンガ『ゲームセンターあらし』やマイコン/プログラミング入門書『こんにちはマイコン』をむさぼるように読んだ経験があるITpro読者は多いのではないか。これらの書籍はそれぞれ、ゲームを題材にしたマンガとマンガを使ったコンピュータ/プログラミング学習書の先駆けだったといえる。
 著者であるすがやみつる氏は京都精華大学マンガ学部マンガ学科キャラクターデザインコースで教壇に立つと同時に、今もプログラミングし続けている。同氏に、子供を対象にしたプログラミング教育についての考えなどを聞いた。(聞き手は田島 篤=出版局)


『こんにちはマイコン』(1982年発行)を出された当時、どのような反響があったのですか。

写真1●京都精華大学マンガ学部キャラクターデザインコース教授/漫画家のすがやみつる氏

 『こんにちはマイコン』は、出版社からの要請じゃなくて、私が企画書を持ち込んでできた本です。持ち込んだときには全然反応がなくて、1年近く経ってから書籍化に向けて動き出したんじゃなかったかな。

 その当時、英BBCの番組と連動した書籍『the computer book』という子供向けの本がベストセラーになっていることを知りました。子供向けの本なのですが、実際は大人も読んでいるということでした。日本でもニューメディアブームが起きていて、「BASICを知らなければビジネスマンではない」みたいなことを週刊誌が書いたりしていました。そこで、この日本だったら、コンピュータの基礎とBASIC入門のような内容をマンガにして子供向けに出せば、大人も読んでくれるのではないかと考えました。

写真2●『こんにちはマイコン1』(写真右:小学館、1982年)、『こんにちはマイコン2』(小学館、1983年)。このほか、『こんにちはマイコン[MSX対応版]マイコン入門』、『こんにちはマイコン[MSX対応版]プログラム入門』がある

 このように、子供に加えて大人もターゲットにしたことが多くの読者を獲得できた(シリーズ累計で約60万部)のだと思います。実際、本にカバーをかけてこっそり読んでいる大人を2回ほど見かけたことがあります。分かりやすそうなので読みたいんだけど、マンガで勉強していると知られるのは恥ずかしい。当時はそういう状態だったんです。

 もちろん子供たちにも受け入れられたので、私の実感としての読者層は、子供と大人でちょうど半々くらいだったと思います。当時の子供たちからは今でも、「私はこのマンガ(がきっかけ)でIT業界に入りました」などと直接言われることが多々あります。また、Twitterなどでもたまに見かけますね。