もう一つ、この1~2年で目立った活動ということでは、CoderDojo(コーダー道場)がある。CoderDojoはアイルランド発祥の、小中学生向けプログラミング道場だ。ソフトウエア技術者たちが、自分たちの技術を子供たちに教えようとして始まった運動であり、道場という言葉が使われているように、寺子屋的な活動をボランティアで展開している活動である。このCoderDojoでも、プログラミングツールの一つとしてScratchが使われている。

このトレンドは当分続く見通しなのか。

 そうだ。先ほど伝えたように、製造業から情報産業、さらにはIoTに代表される新しいものづくりへの移行というトレンドはゆるがないだろう。この認識がより広まるにつれて、Scratchなどを使ったプログラミング教育はいっそう普及していくものと思われる。

自身の活動がより大きな流れになりつつあると。

 その認識は違う。Scratchを使った活動を厳密に捉えると受動的な「教育」と能動的な「学習」に分けることができ、両者は異なるためだ。

 一般的な傾向として、Scratchを使った活動を大人は教育と捉える。しかし、体験する子供たちのほとんどは勉強とは捉えていない。Scratchを開発した米MIT(マサチューセッツ工科大学)メディアラボのミッチェル・レズニック教授が常々言っているのは、Scratchは職業訓練用ではなく、新しい表現手段や学びのためのものであるということ。

写真3●来日したミッチェル・レズニック教授(左)と一緒に

 つまり、Scratchで遊ぶことが、新しい表現手段や学びにつながる。この意味で、Scratchによる活動を子供たちは遊びと思っていて、一方の保護者や教育者がそれを勉強だと思っているのは、実は矛盾していない。しかし、教えて育てる「教育」と捉えるのと、学んで習う「学習」と捉えるのとでは、Scratchの使い方が異なる。

では、Scratchで何を学んで習うのか。