プログラミングの楽しさとはなにか。

 具体的には、プログラムでコンピュータを制御したり自己表現を実現したりできることだ。楽しさを知ることで、学生自ら次のステップに進みたいという意欲がわく。Javaだと楽しさが伝わりにくい上になかなか次のステップが見えにくく、学習意欲がわきにくかった。

 ただ学生には、楽しさに加えて、厳しさも体験してほしい。プログラミングによりコンピュータは、人間が命令した通りに動く。逆に言えば、コンピュータは命令した通りにしか動かない。この厳しさに触れることで、見通しを持ち、手順をしっかりと踏んで物事をコントロールすることの重要性を実感してほしい。

写真2●Scratchを使ったプログラミングの授業「情報処理演習CⅠ」の様子

授業だとカリキュラムをこなす必要がある。それが楽しさと相反しないか。

 先に述べたように、情報処理演習CⅠは選択科目であり、履修する学生の学部はさまざまだ。この授業に、コンピュータのことをもっと知りたいと思って参加する学生もいれば、授業時間がたまたま空いていたからという理由で参加する学生もいる。そのため、学生ごとのプログラミングやコンピュータに対する理解度は幅広い。

 こうしたプログラミングに対する意欲やスキルが異なる学生に、楽しんでもらいつつ一定の内容を身に付けてもらうには、授業内容にある程度の幅をもたせると同時に、ここまではすべての学生にしっかり理解してもらうという「マイルストーン(里程標)」を設定して達成する必要がある。そのため教材(テキスト)には、全員に実施してもらう課題だけでなく、時間があまった学生や意欲的な学生を対象にした課題を用意している。