浅谷:中でも印象的だったのが、「先生は教えながらいつも不安を抱えている」ということです。自分が教えている授業で子どもがつまずいてその後の理解が進まなかったりしたら、自分の責任ではないか、ほかに良い教え方があるのではないかと悩んだり。授業中寝ていたら、自分のせいではないかと考えたり。

 こんな不安を常に抱えて生活していると聞いて驚くと同時に、「これに対して自分が何かできないかな」と思ったんです。そこから、センセイノートが生まれました。

山内:なるほど。ちなみに、自分が先生になろうとは思わなかったんですか?

浅谷:それはありませんでしたね。別の仕事に就いていて現実的ではなかったのと同時に、既に現場に熱い先生方がいるのなら、そういった方達をサポートする側に回った方が役に立てるのではと考えました。

 また教育系企業でもITの仕事をしていたので、専門を生かしてこの分野に貢献したいと思いました。

山内:センセイノートは、どう開発していったのでしょう。

浅谷:最初はハッカソンに参加して、エンジニアに作ってもらいました。

山内:何としてでも実現させよう、と思って、ハッカソンに出られたわけですね。

浅谷:いえ、それが全然そうじゃなかったんです(笑)。米国発で、今では世界各地で開催されている「Startup Weekend」というイベントがあるんですが、その創始者の米国人がたまたま私が住んでいたシェアハウスに泊まりに来て、一緒に飲みながら話をしていたら「おまえも出てみろ」と。

 確かに、エンジニアを一から集めるのは大変です。ハッカソンなら、3日間、エンジニアがこのテーマにコミットしてくれるんですね。そんな機会はなかなかありません。参加費は3日間で8000円で、それでエンジニアさんががしがし作ってくれるなら失うものは何もないな、と思って。それで参加しました。Webサービスを新規開発した経験はなかったのですが、3日間は試行錯誤しながらやれることをやり抜いて、結果、東京部門で優勝することができました

山内:満を持して、というわけではなかったんですね。たまたま出てみたハッカソンで、人生が変わったんですね。

 そこからサービスインまでは、すぐに進んだんですか?

東京大学の山内教授