浮川:次に作ったのが、「Note Anytime」です。大学ノートをコンセプトに、何でも自由に書ける万能ノートを目指しました。今は、「MetaMoJi Note」という名称に変わっています。

 その次に何を作ろうと考えてひらめいたのは、「今の時代に新たに発表するソフトとして、いつまでも“ワープロやノートのように、自分一人で考えて文書を完成させる”枠組みでよいのか」ということでした。今はインターネットというとてつもないインフラがある。一人で書くのではなく、みんなが書いたことを集約できるノートを作るべきだと思ったんです。

山内:そのひらめきはどこから生まれたのでしょう。

東京大学大学院情報学環の山内祐平教授

浮川:時期としては2011~2012年ごろなんですけど、21世紀が10年も過ぎた時代に、初めて世に出すアプリとしてふさわしいものは何か、と考えて出てきたアイデアです。幸い当社には優秀なエンジニアがたくさんいるので、アイデアを話して、実用化に耐えられるテクノロジーを検討してもらいました。そして、非常に高速な相互通信ができるコア技術を開発しました。これをベースに、複数人で同時書き込みできる「MetaMoJi Share」というソフトが生まれました。

複数人で同時書き込みできるノート「MetaMoJi Share」
(出所:MetaMoji)

山内:複数人で画面共有をするイメージですか?

浮川:OSの画面共有のように画面全体のイメージを送ることはしません。書いている部分だけを画面共有するイメージです。データ構造から工夫して、サーバー側とクライアント側の両方に高度な技術を盛り込みました。送り合うのは、文字の座標データなど、最低限のデータだけです。エンジニアは「理論的には200人が同時に書ける」と言うんです。

 「ほんとか?」と半信半疑のまま、全社会議で使ってみました。60人分の枠を作って、一斉に自分の抱負を書かせたんですが、全く遅延を感じることなく、60人がリアルタイムで書き込めました。これはすごいものができた、と興奮しました。

 ではこれをどう使えるか。応用の可能性は無限にありますが、すぐに出たアイデアの一つが「これが学校で使えたらいいね」というものでした。

 これだけのテクノロジーがあるなら、先生や子どもたちにとって「今まで不可能だったこと」が実現できるようになるはずです。私は教育分野にも前職時代から長くかかわってきましたが、学校にICTが入ることの意義は、そういうことだと考えています。あれもできるこれもできると次々に意見が出て、社員みんなで作り上げたのがMetaMoJi ClassRoomです。

山内:それはいつごろの話ですか?