山内前回、「高品質な個別指導」を突き詰めてeラーニングにたどり着いたと伺いました。そこから、どうサービスを立ち上げていったのでしょう。

湯野川:チームのパートナーに教材制作のプロがいたので、その人を中心にプロジェクトチームを組んで始めました。つてをたどって、大学の先生やシステム開発会社を発掘して、頑張ってコンテンツを作り上げました。

すららネットの湯野川社長

 自分たちなりに良いものができたので、まずは実証実験で効果を確かめようと、eラーニングだけで学ぶ塾を作ってみたんです。同じ月謝で何度通ってもいいというもので、名称は「次世代型学習塾 キャッチオン」。駒澤大学駅の前に作りました。

 内装も工夫しました。普通の塾は先生に向かって机が並ぶスクール型ですが、この塾では先生と子どものヒエラルキーを作りたくなかった。また子どもたちが壁に沿って並び、後ろから先生が指導するタイプもありますが、壁と向き合わせたくないという思いもありました。

 そこで外食関係で付き合いのあったデザイナーにコンセプトを話して、独自の内装を作りました。子どもたちが向かい合って学ぶ形にしたんです。

「次世代型学習塾 キャッチオン」の様子
(出所:すららネット)

山内:いいですね。大学の「ラーニングコモンズ」みたいです。この塾は、うまくいったんですか?

湯野川:はい。生徒も集まりましたし、成績も上がりました。

 今でも忘れられない言葉があります。ある日、成績がオール1だった女の子に言われたんです。「生まれて初めて、英語の勉強を楽しいと思った」と。

 この言葉で私の人生は変わりました。私にとって教育は、数ある新規事業の中の一つでしたが、そうじゃなくなった。外食産業でおいしいメニューを開発することにも意義があるけれど、それとはちょっとレベルが違うな、と。