湯野川:世界に出れば、文字の読み書きや基本的な算数ができない子どもたちがたくさんいます。こういう子たちの学びの手助けをしたい。それが、その国全体のリテラシー向上にも役立つのではないかと考えました。

 それで、駒澤大学駅前に塾を作ったときのように、とりあえず試してみようということになりました。ベンチャーの体力では難しいので、国際協力機構(JICA)にプロポーザル(事業提案)を出して、採択されました。それで、まずスリランカで始めました。

 スリランカでは、貧困層の女性のために少額融資を提供している女性銀行という団体と組んで、スラム街のど真ん中で学校を開いています。スラム街の人たちでも払える金額を課金して、その地域の子どもたちが来て学んでいます。

スリランカの教室の様子
(出所:すららネット)

山内:教材は、すららをベースに言語を現地向けにしたものですか?

湯野川:基本はそうなのですが、日本向けのすららにはない小学校低学年向け教材を新規に作りました。現地の学力レベルを考えて、数を数えるところから始めた方がいいと判断して作りました。

スリランカ向けのすららの画面
(出所:すららネット)

 インドネシアでは、国立大学の附属小学校で実証実験を実施しています。附属小学校ですら学級崩壊のような状況で、授業中に子どもたちが歩いたり騒いだりしていたのですが、すららを使い始めて一変しました。みんな、黙々と教材に集中できるようになりました。

すららで学習するインドネシアの児童
(出所:すららネット)

山内:授業中に騒ぐというのも、授業が分からないからなんですよね。分かれば楽しいから集中できる、ということだと思います。

 日本だけでなく、世界中から"できない子"をなくす戦いに挑まれているわけですね。今日は、刺激的なお話をたくさん聞かせていただきました。湯野川さん、どうもありがとうございました。