礒津:今、ベンチャー企業が日本でも登場していますが、これが続々と生まれるような社会にしていきたい。シリコンバレーのような場所が世界中にできるような社会を、私たちの教育サービスで作っていきたいと考えています。

山内:始めからグローバルを視野に入れていたのは、理由があるのでしょうか。

礒津:世界中で事業を行っているソニーとして、教育サービスでもグローバル展開は前提でした。文化的、法律的、技術的に、グローバル展開を進めています。本来は言語も各国語に対応したいのですが、現在は人的リソースの問題で日、英、中をターゲットにしています。

 グローバル展開する上で、カリキュラムは独自の体系を作りました。教育カリキュラムは国ごとに違いますが、それとは独立しているので、どの国でも適用できます。

 日本の教育を、海外に出したいという思いも持っています。日本式の教育は、このところ見直されています。我々も日本の教育の良い部分がだんだん分かってきたこともあり、それを海外に輸出していきたいと思っています。

グローバルで、算数・思考力のテストを実施

山内:具体的に、どんな事業を展開されているのでしょう。

オンラインの算数コンテスト「世界算数」
(出所:「世界算数」公式サイト)

礒津:事業領域は、「コンテスト」「ラーニングサービス」「プラットフォーム」の三つです。現状、最も力を入れているのがコンテストです。全世代に向けた算数・思考力のテスト「世界算数(英語名はGlobal Math Challenge)」を開催しています。算数版「TOEIC」みたいなイメージのテストです。全世界の小中学校に導入できる、算数/数学の共通試験サービスとしては世界初です。試験日は1日で、午前7~午後11時の好きな時間に受けられます。およそ1時間で受験できます。

 出題するのは、日本人なら誰でもなじみがあるだろう算数の問題です。実は日本の算数問題は、海外で非常に評判が高いんですね。

 第1回を2014年の11月に開催したのですが、海外からの受験者も合わせて2万人が参加しました。第2回は2015年の9月に開催して、参加者登録者は30万人に上りました。アクセスは、85カ国からあったんです。国別で見ると、8割強が中国、1割強が日本、残りがその他の国、という形でした。