紙の教材による通信教育サービスで多くの実績を持つZ会。2013年から、タブレットを使ったデジタルサービスを展開している。試行錯誤をしながらサービスの改良を続け、学年によっては新規利用者の半数程度がデジタル版を選択するほどになった。
 同社のデジタル教育サービスを牽引してきたのが、ICT事業部 事業部長を務める草郷雅幸執行役員。これまでの歩みと、2017年から開始予定の新サービスの特徴を草郷氏に聞いた。

(記事構成:八木 玲子=コンピュータ・ネットワーク局教育事業部)

山内:Z会の通信教育サービスは、実は私自身も利用していました。私は愛媛の出身なんですけど、地方の受験生にとっては頼りになる存在でした。

 当時は紙の答案を送って添削結果を受け取る形でしたが、今ではタブレットを使ったデジタルサービスも提供されています。今日は、Z会がどうICT活用に取り組んできたのか、今後何を目指すのかについて聞かせてください。

 最初に、なぜ草郷さんがデジタルサービスを牽引されてきたかについてうかがえますか。元々、ICTを担当されていたんですか?

草郷:私は、Z会が運営する教室を担当していました。教室運営のほか、情報システムを担当したりもしていました。顧客管理データベースを構築したり運用したりといったことですね。

Z会 ICT事業部 執行役員/事業部長 草郷雅幸氏
(撮影:八木 玲子)

山内:なるほど、その際にICTにかかわっていらしたんですね。ちなみに、Z会の教室とはどんなことをしているのでしょう。

草郷:基本的には一般的な塾や予備校と同じように教室で授業をしているのですが、授業だけでなく、添削指導を実施しています。すべての授業ではありませんが、まず講義をしたあとに演習と解説があって、最後に添削答案を仕上げて提出します。授業が2時間なら、30分程度は添削問題に取り組むイメージです。時間内に終わらなければ、残って仕上げてもよいことにしています。

Z会が運営する教室のイメージ
(出所:Z会)

山内:演習も添削もあるんですね。Z会には、"学習者に頭と手を使わせる"イメージがありますが、教室でもそれを大事にされているんですね。

草郷:そうですね。教室は少人数制なので、講義も一方的に講師が話すのでなく、生徒が前に出て黒板に答えを書いて、それを見ながら講師が解説する、といったスタイルも盛り込んでいます。

山内:先生のスター性を打ち出すというより、学習者に頭や手を動かしてもらうことを重視しているわけですね。質実剛健な感じですね。

 そうした教室を運営されていて、突然、教育ICTの担当に異動になったんですか?