山内:でも、実際はそんなに簡単ではありません。良いガソリンがないとクルマが走らないのと同じで、エンジンに入力するデータの正確性は、アダプティブを実現する上で必要不可欠な要素です。大前提として、学習者の理解度を正確に把握できる問題がなくてはアダプティブは成り立ちません。この点が、現状ほとんど理解されていません。

アダプティブラーニングについて質問する山内教授
(撮影:八木 玲子)

草郷:アダプティブという言葉は教育業界では一般化してきていると思いますが、実際に導入しようとしている事例は限られています。それには、今のようなお話が大きく関係しているのではないでしょうか。

 ただ、“お作法”というか、入力データの整備方法が一度分かれば、それを別の講座に展開するのはそれほど難しいことではありません。我々としては、これから新時代が来るなという感触を持っています。

 ちなみに、実はニュートンのエンジンは、2016年の春から大学生・社会人向けのTOEIC対策の教材向けに適用し、サービスを始めています。まだ具体的な成果は出てきていないのですが、利用者からは、従来の教材よりも良いといった声が上がっています。もう1年データを蓄積して、詳細な分析をする計画です。

山内:Z会は元々、学習者の理解度を正確に把握する問題を作成する力をお持ちなので、アダプティブにも取り組みやすいということでしょう。今後は、こうした能力がますます求められますね。草郷さん、今日はどうもありがとうございました。