「反転学習」と呼ばれる学習スタイルが、企業研修でも効果を発揮し始めている。デジタル教材を基に基礎知識を事前に習得し、対面型の授業ではそれを基にディスカッションや演習に取り組むものだ。人材育成支援を手掛けるトーマツ イノベーションが、新入社員向けの教育サービスにこの学習スタイルを応用。2014年のサービス開始以来、400社超に採用されている。
(記事構成:八木 玲子=日経コンピュータ)

山内:トーマツ イノベーションさんは、反転学習を上手に採り入れた企業内教育サービス「モバイルナレッジ」を展開されています。まずは、どんなサービスなのかを教えていただけますか。

濵野:モバイルナレッジは、新入社員向けに、入社前の事前教育と入社後の研修を一貫して行うサービスとして2014年にリリースしました。内定期間中に行う事前教育は、スマートフォン経由で行います。そこで学習した内容を基に、入社後には反転教育の手法を用いて、対面型の研修を実施します。現在、400社を超える企業に導入され、学習者の数は約6000人に上ります。

 コンテンツは、全部で182種類を用意しています。ビジネスマナーやコンプライアンス、会社の仕組みなどです。決算書の読み方やビジネスメール、分かりやすい話し方、ロジカルシンキングなどもあります。これらを全て、スマートフォン向けアプリで学べるようになっています。

モバイルナレッジを手掛ける、トーマツイノベーション 事業開発本部長 濵野智成氏

山内:学生が社会人になるに当たって必ず学ぶべき内容をそろえているわけですね。個々のコンテンツの中身は、どんな構成になっているのでしょう。

濵野:「電話応対」を例にご説明しましょう。まずは、電話応対の基本を学ぼうという導入解説があります。次に、いきなり問題を出します。「適切な応対はこの中のどれでしょう」といったクイズが出題されるので、選択肢から正しいと思うものを選びます。

 続いて正解を発表し、解説も表示します。ポイントを文章で解説した後に、動画を使った説明を加えます。文章だけでは伝わりにくいところを、動画にしているイメージです。この一連の学習をこなすのに、3~5分かかる想定です。

電話応対の学習コンテンツ。出題される問題に答えていく
電話応対の流れを解説する動画も用意する

山内:なるほど、どれも5分程度で完結させる設計なんですね。