山内前回は、月額980円という価格設定でも、12カ月続いたら顧客単価は変わらない、というお話がありました。でもこの手の通信系教育サービスって、途中で離脱する人もいますよね。

松尾:データを見てみると、受験サプリでは離脱はほとんどありません。大学受験という目標がはっきりしていて、スケジュール的にゴールも決まっています。実際の試験までは続くのだと思います。

山内:そうなんですか。やはり、最初に目をつけた領域がとても良かったんですね。ゴールまでは続けなければいけないという状況に置かれているわけですもんね。

松尾:そういう意味では、ラッキーだったかもしれません。元々リクナビ進学で進学情報を提供して、最終的には大学や専門学校への出願につなげるということに携わってきていたので。

山内:なるほど。ほかに、苦労されたことはありますか。

松尾:サービス立ち上げ時は、我々に教育のノウハウが全くなかったので、高校生に教えられる講師を探すのが手探り状態でした。最初のきっかけは、“たまたま”でした。知り合いのツテを探っていたところ予備校の先生がいて。教育環境格差を解消したいという話をしたら共感してくださって、仲間を紹介してもらって……という感じでした。こうして、授業動画を拡充していきました。

山内:人づてで増やしていったわけですね。

対談の様子(左から中野氏、松尾氏。手前が山内氏)

良問が無料で手に入ることの価値

松尾:あとは、過去問題を提供する上で、著作権の処理が大変でしたね。

山内:ああ、それは大学の教員もやっていることなのでよく分かります。自分たちで作った問題でも、Webサイトにアップする際には著作権処理をしないと上げられなかったりするんです。著作権者からは、著作権使用料を要求されるケースも多いですよね。著作権処理だけでも、結構なお金がかかります。