佐藤:こうしたコミュニティを生むには、参加している人たちのコミュニケーションを良いものにする必要があります。相手のことを理解する機会を得たり、一つの課題に一緒に取り組む経験を作ったり。それでednityを、「情報共有」に特化したサービスにしたんです。「クラスを管理する」ことを前提にしたLMS(ラーニング・マネジメント・システム)のようなサービスとは違います。

 機能をシンプルにしたのには、スマートフォンやタブレットなどのスマートデバイスを対象にしているからという理由もあります。スマートデバイスはモバイル端末であり、その名の通り携帯して利用しますし、ディスプレイサイズが小さいという特性もあります。それゆえにラップトップとは違い、「細切れの時間に高頻度で使う」ようになったわけです。ですから、一つのアプリで多くの機能は求められておらず、特定の目的に特化したアプリを数多く使い分けるスタイルが広がっています。これは学校であっても同様になると考えています。

多様なデバイスでシンプルに使えることを重視している

 ednityでも、これと同じ考え方をしています。実際、先生たちがやりたいことはそんなに多くないんです。今一番先生たちが課題に感じているものは何かを考えて、それを解決することだけに特化した結果、今の形になりました。

山内 祐平
東京大学大学院情報学環 教授
大阪大学助手、茨城大学助教授を経て、2001年に東京大学大学院情報学環准教授。2014年11月より現職。研究テーマは「学習環境のデザイン」。情報から知恵を生み出す学習環境について、実践的なプロジェクトを行いながら研究を進めている。著書に「デジタル教材の教育学」(編著、東京大学出版会)、「学びの空間が大学を変える」(共著、ボイックス)、「デジタル社会のリテラシー」(岩波書店)など。