中学1年生を対象に「反転学習」を実施

 一部のコースでは2015年6月から、動画教材を使って予習してから授業に臨む「反転学習」に取り組んでいる。対象は中高一貫コースで学ぶ約500人の中学1年生。生徒は毎週3時間分の動画を見てから週1回の授業に参加する。事前学習のための動画教材は教科書レベルで、理解できない内容があっても教師が教えられる教室では、思考力が必要な問題に取り組んでいる。IT室・指導技術研究室の眞野尚己氏は、「反転授業のおかげで、圧倒的なスピードで授業ができるようになった」と反転学習の効果を認めている。

 佐鳴予備校では以前から、ICT(情報通信技術)の活用に取り組んできた。2004年には、200校舎にある全600教室に電子黒板を整備。デジタル教材も独自に開発して、授業で利用している。実は、タブレットを中心にした教室での授業も、以前から研究してきたという。教室では通常、30~40人の生徒が学んでいる。タブレットを活用すれば、生徒の学習状況を教師が容易に把握できるため、「生徒の頭の中が丸裸になる。例えば、惜しい不正解なのか白紙の不正解なのかが分かる」(本部運営管理室 課長の山田敦範氏)。また、教師の板書の内容を生徒の端末に送ることもできるので、分からせたいことを正確に伝えるのにも役立つという。

 模擬授業などを通してこうした利点が見えたものの、同校では教室の授業でのタブレットの本格導入を見送った。「板書を端末に送ったり、生徒が提出した内容を一覧したりするのにひと手間かかり、授業のリズムや躍動感が失われると判断した」(眞野氏)のが理由だ。

佐鳴予備校では2004年から全教室に電子黒板を整備。独自のデジタル教材を開発して、授業で活用している
動画教材の収録風景。社内にあるスタジオで撮影している