生徒はアプリから“挙手”をして先生にアピールし、先生がその中から誰かを指す。指された生徒は自分の答案を提出し、先生は授業を実況しているスタジオ内の電子黒板に映し出された生徒の答案をその場で添削する(写真5)。指された生徒だけでなく、授業に出席している他の生徒もその様子を見ることができる。もちろんこれら一連の流れはスマートフォンだけで完結する。ネット上とはいえ、授業に参加している生徒は、あたかも“教室”で他の生徒といっしょに授業を受けているような感覚を得られる。

写真5●挙手で指された生徒の回答を先生が添削
(出所:ドワンゴ)

 各講座に参加できる受講者数には特に制限がなく、「システム的には千人が“生授業”を見てもらっても問題ない」(今野氏)という。実際、大学受験講座では、数百人単位の生徒が一つの生授業に参加しているといい、リアルの予備校で言えば「大教室が満杯という状態」(同氏)だ。なお、授業は生放送だけでなく、アーカイブもされており、復習などのためにいつでも見ることができる。

スマホで学べる自学自習用教材を独自開発

 課外授業でこだわったのはネットで学ぶ環境だけではない。教材自体もドワンゴが作成している。「映像授業だけを受けて学力が定着するかというと、それはなくて、自学自習が必要なことは誰もが認めているところ」(今野氏)。自学自習用として例えば大学受験講座の場合は、センター試験をベンチマークにして、独自に講師が練り上げたカリキュラムを用意。さら各教材にはQ&Aの機能を付けた(写真6)。「いい質問には先生が授業で答えるという仕組みにした」。さらに生徒同士で教え合う場にもなっているという。

写真6●自学自習用教材には理解度チェックやQ&A機能を実装
(出所:ドワンゴ)
写真7●プログラミング授業のカリキュラムや授業はドワンゴのトップエンジニアが実施
(出所:ドワンゴ)

 教材の中でドワンゴならではと言えるのが、同社のエンジニア向けの新入社員研修をベースにしたプログラミングの教材だ。N高生向けのものであっても、その到達点は同社エンジニア向けと同じだという。異なるのは、高校生が対象となるため、パソコンにさわったことがない生徒も想定している点だ。プログラミングの講師はニコニコ生放送のミドルウエアを開発した吉村総一郎氏が務めるなど、教材作りには同社のトップエンジニアが携わっている(写真7)。その内容も実践的だ。

 「最終目標はプログラミング言語を理解することではなく、サービスを作ること。ここで勉強すると、まず簡単なWebページが作れるようになり、次に簡単なWebサービスが作れるようになって、次に大規模なWebサービスが作れるようになる。実践的でアウトプット重視、サービスを作ることに主眼を置いたカリキュラム」(今野氏)になっているという。目指すのは現役高校生エンジニアの輩出だ。