教育ビッグデータでコーチングを変える

 N高開校前の2016年3月、カドカワ代表取締役社長の川上量生氏は同校の説明会で、「ネットの高校ですから、その際に得られる情報は全てログを取りますし、解析が可能」と述べている。開校から1年が経過し、現在は「データをためている最中」(ドワンゴ教育事業本部コンテンツ開発部 部長の今野寿昭氏)だ。

 ログデータを蓄積して何をするのか。今野氏はアダプティブラーニングの実現だと述べる。アダプティブラーニングとは個々の生徒に合わせて最適な学びを提供することを指すが、同社ではそれをさらに一歩進めて、モチベーションを上げたり、継続をはかったりといったコーチングについて、教科の専門知識を持っていなくてもできるようにすることを目指しているという。

 「様々なログを分析して、『ここが苦手な人はこれをやった方がいい』とか、『次にこれやるべき』ということをするのがファーストステップ。さらにコーチングのところで専門知識を持っていなくてもできるようにするのが本当のチャレンジで教育のIT化だと思っている」(今野氏)。


 N高に限らず、教育現場のICT活用は今後進む方向にある。プログラミング教育の実施などを盛り込んだ次期学習指導要領も、2020年度には小学校で全面実施、2021年度から中学校で全面実施、そして高等学校でも2022年度の入学生から実施される。

 N高は通信制高等学校であるため遠隔での授業などICTを使った教育との親和性が高く、一概に他の学校のやり方とは比較はできないものの、教育におけるICT活用の考え方や実践的なプログラミング教育など、既存の学校にとっても参考になることは多いはずだ。