プログラミング体験は必要、全てアンプラグドでいいわけではない

 相模原市、草津市の事例を受け、最後に堀田氏が総括した。次期学習指導要領の全面実施が2020年度であることに触れ、「今はトライアル&エラーを堂々としてもいい時期。全面実施になった次期に『どうもうまくいかないですね』となったら保護者は怒ります。今はプログラミング教育に関しては少しは(トライアル&エラーが)許される。今がチャンス」と述べた上で、冒頭でも紹介した次期学習指導要領の総則をあらためて示した(写真7)。

写真7●2020年度に全面実施される次期学習指導要領の総則の抜粋

 「『プログラミングを体験しながら』と書いてある。プログラミング体験は必要なんです。プログラミングをしないでアンプラグドでできることもあるけれど、全てアンプラグドでいいということはでない。しかし、コンピュータに意図した処理を行わせるために必要な論理的思考力は数時間のコンピュータープログラミング体験で身に付くようなサイズなのかといったらそれはノー。『しながら』といった意味は、することはするがそのときの経験をほかの場面で生かしながら考えるということなんですね」。堀田氏はこう解説する。

 さらに堀田氏は教育課程内でのプログラミング教育のほか、教育課程外でのプログラミングについても触れた。教育課程外のプログラミング教育については、子供の興味関心や能力に応じて様々なことが可能だとして民間の力が非常に重要になると説明。堀田氏は、「彼ら(民間企業)に教育課程内に入ってもらうことはあるとは思うが、時間の都合などをを考えるとそう簡単ではない。だが教育課程外の活動については彼らが経験した様々なカリキュラムを持っています。そういうところに協力していただきながら、例えば土曜学校や夏休みのイベントといった形でプログラミングに出会わせることはあり得ると思います」と語る。

 「いずれにせよ試行錯誤が許される今の時期に子供たちにプログラミング体験をさせ、それを通して身に付けさせたいプログラミング的思考を先生たちで考え、各教科をつないで様々な場面でそのことを話題にし、ゆくゆくはコンピュータの性質を子供たちなりに理解して、『私たち人間はそれよりこういうところがすごいね』ということを感じてもらい、情報技術をふんだんに用いたこれからの社会、それを支える人材を育成したいと思います」。堀田氏はこう述べてセミナーを締めくくった。