北海道では文部科学省が2016年7月に策定した「教育の情報化加速化プラン」の内容を受けて、専門部局を立ち上げ、北海道としての教育の情報化推進指針を作成している最中だ(写真5)。小松川教授もこの情報化推進指針の作成に携わっており、今後のスケジュールについて「年内には内容が固まり、各市町村に対して示される見通し」であると説明した。

写真5●北海道が準備している教育の情報化推進指針。国の進めるビジョンに沿ったものになっている

 北海道の情報化推進指針は基本的には国の進めるビジョンに沿っており、「プログラミング教育の推進」「学力向上に向けた教科などの指導におけるICT活用」「校務の情報化」「教員研修」の4つが柱になっているという。

 特に重点的に取り組むテーマとしては「小学生からのプログラミング教育」と「小規模校対策としてのICT活用」が盛り込まれる見込みだ。小規模校の多い北海道では、全体の約2割の学校が異なる学年の児童を一つのクラスにまとめている複式学級となっている。遠隔授業やオンデマンド教材を活用することで、こうした学校での教育格差の解消を目指すのが狙いという。

 外部委員を交えた教育の情報化推進指針策定の場では、次のような点が課題として指摘されているという。

  • 教育の情報化に対する自治体ごとの温度差が大きい
  • 学校現場のセキュリティや個人情報の運用を、無線LANやタブレット端末を利用した授業を進めやすい形に見直す必要がある
  • 情報科目に限らず、通常科目でも先生の道具としてICTを活用できる仕組みが必要
  • 高校の情報科教員の採用がない現状の改善

 北海道はこうした課題の解消や教育の情報化推進指針の進展、ICTの活用による子どもたちの学力向上を目的とした協議会を、2017年にも立ち上げる方針だ(写真6)。協議会には企業や大学関係者も参加し、教育現場でのICT支援や講習会/講演などの運営も担当する予定だ。小松川教授は「教育の情報化は一つの組織や行政だけが頑張ってもうまくいかない。この場を含め関係者の皆さんの協力が不可欠だ」と、協議会への協力を呼びかけた。

写真6●北海道では教育の情報化推進に向けて、2017年にも産学地域連携の協議会を設置する方針だ