北海道の千歳科学技術大学は、2013年から「情報デザイン」の授業にPCやタブレットを活用し、身の回りの課題解決に取り組んでいる。その仕組み作りのためのツールとして導入しているのが米ファイルメーカーの「FileMaker Pro」だ。同大学で情報デザインの講師を務めるDBPowers代表取締役の有賀啓之氏、昨年、同授業を受けて部活動での会計問題解決に取り組んだ理工学部グローバルシステムデザイン学科3年の亀谷和義氏、同大学理工学部グローバルシステムデザイン学科の曽我聡起教授に、情報デザインの授業の意図やICT活用の意義などを聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=コンピュータ・ネットワーク局教育事業部)


左から千歳科学技術大学で「情報デザイン」の講師を務めるDBPowers代表取締役の有賀啓之氏、昨年、実際に同授業を受けて部活動での会計問題解決に取り組んだ理工学部グローバルシステムデザイン学科3年の亀谷和義氏、同大学理工学部グローバルシステムデザイン学科の曽我聡起教授

「情報デザイン」とはどういった科目なのでしょうか。

有賀氏:我々の周囲には様々な情報があります。そういったものを可視化し、取り扱える対象にして、次の段階に向かう、ということを実践するのが情報デザインの授業です。ただ、いきなりそのようなことを言っても学生がすぐにそれをできるわけではありません。

 具体的には、身の回りにある「こんなことがあったらいいんだけどな」とか「こういうところが結構問題なんだよね」ということを解決するための方策を皆で考え、モバイルツールだったりパソコンだったりを使って解決できる仕掛けを作っていく――。こうしたことを実践する授業です。その解決手段を実現するために使うのがITであり、アプリケーションを作る開発ツールとしては「FileMaker Pro」(以下FileMaker)を使っています。

プログラミング言語を使って実装するような形もあるかと思いますが、FileMakerをどのように授業で使っているのでしょうか。

有賀氏:JavaだったりC言語だったり様々なプログラミング言語の授業は存在しますが、情報デザインの授業では、もう少し広くとらえていて、「情報ツールはこういう風に使うと、もっといいんだよね」ということが分かるツールとしてFileMakerを導入しています。

 FileMakerはデザインツール的な要素もありますが、ポイントは“裏側”にデータベースエンジンを持っているところです。これが非常に効果的です。学生はデータベースという概念をあまり持っていません。プログラムという概念はありますが、データを蓄積するという概念はあまりない。データベースという概念は非常に重要であり、デザイン的な要素、データベース的なツール、そしてその間に存在して元々学生が持っているプログラム的な発想をうまくつなぎ合わせるツールとして採用しています。