課外授業が多様な生徒を引き付ける

 駆け足でざっとN高等学校の基本情報をまとめたが、具体的に課外授業とはどのようなものか。

 2015年7月に当時のKADOKAWA・DWANGO(現カドカワ)が通信制高等学校の設立を発表した際は(関連記事)、「僕らなりに、不登校の問題で解決できることがあるのでは、と考えた」といった現カドカワの川上量生代表取締役社長の発言に注目が集まり、不登校の生徒のための学校といった印象も強かった。だがそれは一つの側面でしかない。実際に4月開校時に入学してくる生徒はその動機を含めて様々だという。

 多様な生徒を引き付けるのが、同校が生徒に原則無料で提供するネットの課外授業だ(写真3)。同校ではそうしたネットの課外授業を「N高プロフェッショナル課外授業」と呼び、下記のようなコースを設けている。

  • KADOKAWA 中経出版が協力したオリジナル教材や予備校講師による授業が特徴の大学進学を目指す生徒のための課外授業
  • JavaScript、Node.jsなどの基礎から、ScalaによるWebアプリ開発、JavaやSwiftによるスマホアプリ開発、コンピュータサイエンス、ドワンゴのトップエンジニアが教える特別講義などのコースを用意するプログラミング授業
  • KADOKAWAから作品を出版している現役の作家やKADOKAWAの現役編集者が教える小説創作の授業
  • 小説やコミック、アニメなどのコンテンツのKADOKAWAのブランド「電撃」で作品を生み出しているクリエイターやプロデューサーなどが講師を務めるエンタテインメントの創作授業
  • ドワンゴ傘下のスクール運営企業であるバンタンが展開する専門学校などの講師が教えるファッションやパティシエ、ゲームプログラミングなどの講座

写真3●N高生はプログラミングなどのネットの課外授業を受講できる

 ここに挙げたネットの課外授業は、繰り返しになるがN高等学校の生徒のために用意されたものだ。さらにこうしたネットの課外授業以外にも、地方自治体や企業・団体の協力の下に実施する酪農体験や農業・漁業体験、さらには刀鍛冶などの伝統技能職体験など“リアル”の課外授業も用意している。

 こうしたリアルな場を利用する課外授業は別途料金はかかるが、いずれもN高等学校に在籍する生徒の体験を広げるために用意したもの。奥平校長は、「全日制(の高校)に行っていたら体験できないようなことを用意していきたい。リアルを否定していないし、むしろ増えていくかもしれない」と語る。