N高等学校はプログランミングのネット課外授業などが充実しているが、それだけでなく、授業料は別途かかるが、N高生だけが通える提携通学コースを用意しており、多様な生徒の要望に応えようとしている。そうしたコースの一つが「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール(PHH、プロハイハイ)」である。講師を務めるマグネットCTOの草野翔氏は、17歳でドワンゴに入社しプログラマーとしてサービス開発に携わり、その後クックパッドなどで活躍してきた経歴を持つ。草野氏に、プロハイハイの目的、プログラミング教育などについて聞いた。

(聞き手は大谷 晃司=コンピュータ・ネットワーク局教育事業部)

「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール(PHH、プロハイハイ)」で講師を務めるマグネットCTOの草野翔氏

「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール」は草野さんのように若くして成功する人材育成の場なのでしょうか。

 まず、成功についてですが、成功とは再現性があることが最もいいものだと思っています。僕の場合どうなのかというと一切の再現性がないですよね。たまたまドワンゴで働いている人が知り合いで、たまたまそのチームで人を募集していて、たまたま席に空きがあって、たまたま僕が上京して住んでいたところがドワンゴに通える距離の場所だった。たまたまが重なって成功した。みんなが僕のようにできるのか、と言われればできないですよね。僕だってもう一回やれと言われてもできません。

 一方で高校で学ぶということは再現性につながる。高校は皆が同じことを学びますが、それによって発露する思い付きは皆の個性になる。思い付くことが人によって違うとき、その違う状態を観測できることって人生にはほとんどないんですよ。例えば同じ企画を担当したけど二人の担当者によって全然考え方が違ったということは仕事でもありますが、仕事でそうした違いが見られるのはせいぜい5人程度まで。それが高校の場合、もっと多くの人が違うことを考えているということを観測できる。これは最高に面白いことで、この面白さに気付くのは大抵の場合、学校から離れた後だったりする。

2016年3月上旬に開催された「バンタン プログラマーズ・ハイレベル・ハイスクール(PHH、プロハイハイ)」の体験授業の様子

 N高校は、学校から離れた結果、もう一度そこを見たくなったような大人が生徒として交じっているような環境です。「それ面白いよね」と言える人が周りにいるわけです。「それ面白いんだ」という気付きが得られる学校ってそんなにないですよね。