山内:最終まとめのポイントは何でしょう。

東京大学大学院情報学環の山内祐平教授

堀田:分かりやすく言うと、「安価なものでもよいからたくさん入れましょう、壊れるかもしれないから予備も用意しましょう」が一番のメッセージです。

 ハードウエア一つとっても、今は1~2万円程度の端末がたくさんあります。例えば、米国では「Chromebook」のようなものが学校現場にかなり普及しています。また、無料で使えるクラウドサービスも充実してきています。

 もちろん、高機能で使い勝手の良い製品を導入できるに越したことはありません。ただ品質が良いぶん高価で、導入を諦めざるを得ないケースがある。このままでは、世界に置いていかれます。まずは、安価で簡易的なものでもよいからきちんとそろえましょう、ということです。

 例えば、2020年には「デジタル教科書も紙の教科書と同じように認める」という制度が動き出します。デジタルと紙ではそれぞれの良さがあって、一部をクリップして発表するとか、拡大して表示するとかいった部分ではデジタルの方が優れています。

 デジタル教科書を使おうとすれば、子供たち一人ひとりに端末が必要です。そのときには高スペックな端末じゃなくても、最小限の機能があればいい。ソフトも基本的なものだけ備えていて、あとはクラウドの機能を使う、という形でもよいのではないかということです。

 いくら安価でも、端末をそれなりの数そろえるにはお金が掛かります。財源はどうするかというと、ほかの予算の一部を回せるのではないかと。例えば教室にはペンで書き込める高機能な電子黒板が整備されていたりします。ただ、ペンで書き込む機能自体はそれほど使われていなくて、何かを映すために使っているケースが多いんです。だったら比較的安価なプロジェクターを使う手もあるのではないかと、そういった方針にしました。

 なお有識者会議では、先生が教えるために使うICT環境の整備や、ICT活用による校務の効率化についても議論しました。これらも重要なのですが、特に遅れていたのが、学習者用ICT環境の整備でした。実証研究などを通じて、「一人ひとりに端末が用意されていると、子供の能力が高まる」ことは明らかになっていたのですが、なかなか整備が進んできませんでした。