堀田:まず、先生の働き方改革に対しては、ICTは非常に有効です。以前は手作業だった校務が、ICTの活用で大幅に効率化できるからです。

 先生向けのPCは、全国平均で1人1台行き渡っています。でもネットワーク環境や校務支援システムの整備状況によって、生産性は大きく変わります。

 専用ソフトが入っていれば、教員が必要な情報を入力しておくことで、管理職などが内容に問題がないかチェックできます。あとは、最後に確認して印刷するだけで、成績表や指導要録が出来上がります。今までは土日も出勤して、1枚1枚印鑑を押して…といった負荷がかかっていましたが、それが無くなります。精神的にも時間的にも楽になります。

 でもPCだけ配って、あとはExcelでやってね、という現場は大変です。Excelファイルを教員間でやり取りしようにも、セキュリティの観点からUSBメモリーは使用禁止になっているとか。同じ理由で持ち帰りの仕事もできないとか。これでは負担は減りません。

 それで今回の有識者会議では、校務支援システムを全ての校種に入れましょうという提案をしました。またシステム間でデータ形式は可能な限り統一して、データのやり取りがスムーズにできるようにしようということも盛り込みました。例えば生徒の転校時、これまでは必要な書類を転校先の学校に郵便で送っていましたが、それが不要になります。

 一方で、授業でICTを使うということに対する先生たちの負担はどうでしょうか。実は昔に比べたら、ICTに対する抵抗感はずいぶん無くなっています。教師の若返りもあって、自分たちが普段使っているスマートフォンやタブレットを授業中使えないことに、不便さを感じている先生が増えてきています。

 もちろん、ICTに不慣れで不安を覚える先生はいます。でもそれはICTに限ったことではありません。習字が得意でない先生や泳ぎが苦手な先生でも、子供たちに書写や水泳を教えているのと同じです。自分が堪能なものしか教えられない、というものではないんです。上手な子をうまく生かして、ムードを作って教えられればいいんです。

 これとは別に、子供用端末の台数が増えることで、故障が増えてメンテナンスの手間がかかるという問題もあります。ここまでいくと、これは教師の仕事とはいえません。ICT支援員のような、専門的人材を確保すべきという機運が高まっています。

山内:そうした人材は、どう確保したらよいでしょう。

堀田:学校とその周辺地域をチームとして捉えて、チームで学校を支えようという考え方が広がりつつあります。地域の人たちが学校に入り込んで、先生を助けるという動きですね。こうした動きが、一つのヒントになると思います。ちなみにこの動きのトリガーになっているのが、プログラミング教育なんですよ。

山内:それは興味深いですね。プログラミング教育も、2020年度の必修化に向けて盛り上がりを見せていますね。このテーマについても、継続して注視したいと思います。堀田先生、今回はありがとうございました。