試行錯誤と共同学習で授業の理解を深める

 同校における今回の取り組みでは、子供向けのプログラミングワークショップなどを開催するNPO法人CANVASが、教材用のRaspberry Piの調達やセットアップなどで協力した。また、CANVASのフェローであり青山学院大学 非常勤講師の阿部和広氏が、教員へのScratchの指導に当たった。

 同日、公開授業のあとに開催された成果報告会に登壇した阿部氏は、小学校でのプログラミング教育の必要性について、「デジタルネイティブと言われる今の小学生は、生まれたときからスマートフォンやパソコンに触れ、使いこなしている。しかし、単に使っているだけではプログラムの仕組みは理解できない。これは、国語に例えると“読めるけど、書けない”状態。プログラミング教育によって、デジタルを使えるだけでなく、デジタルで表現できるようになる」と述べた。

 また、小学校の教科学習にプログラミングを取り入れる意義をこう説明した。「プログラミングは試行錯誤がしやすい。現実世界では大変な実験でも、プログラムなら簡単にできる。また、他の児童からフィードバックを受けるなどの共同学習がやりやすい」。

 京陽小学校では、今回の取り組みの成果として、「プログラミング言語による発信や、ICT機器を利用した学習を通して、自分の考えを発表したり、伝え合ったりすることが好きだと答える児童が78%から82%に増えた」と報告。プログラミング学習導入の重点目標であった「言葉による発信力を高める」ことに関して、一定の成果があったとした。その一方で、今後の課題として、「プログラミング学習に最も効果的な単元を探していき、言語能力向上と関連付けて指導していく必要がある」とした。