教育の情報化を進める団体である日本教育情報化振興会(JAPET&CEC)は2015年3月6日~7日の2日間、教育情報化の成果発表会である「平成26年度『教育と情報化』推進フォーラム」を都内で開催している。テーマは「いつでも どこでも 学べる世界」。6日に行われた基調講演には、文部科学省と総務省が教育の情報化について講演し、500人会場やサテライト会場を多くの教育関係者が埋め尽くした。

写真1●総務省情報流通行政局情報通信利用促進課の岸本哲哉課長

 最初に登壇した総務省情報流通行政局情報通信利用促進課の岸本哲哉課長は、まず「全国学力・学習状況調査」とICTの関連について説明した(写真1)。平成25年度の同調査結果によると、家庭の社会経済的背景(SES、家庭所得、親の学歴といった変数を合成した指標)が高い児童・生徒の方が各教科の平均正答率が高い傾向が見られると説明。だが学校によってはSESが及ぼす影響度が異なることを示した上で、SESの低い地域の中で高い学力と関係のある学校の取り組みを紹介した。

 その取り組みとして、「情報通信新技術を活用し、協働学習や課題発見・解決策の指導」「算数の授業において、発表などする際に児童がコンピュータを使う授業」「国語の授業において、普通教室でのインターネットを活用した授業」などが挙げられ、ICTが学力向上に有効な可能性があることを示唆した。

サーバーは教育委員会などに設置し共同利用を

 岸本氏は、総務省が実施した小・中・特別支援学校の情報化推進の取り組みであるフューチャースクール推進事業についても説明。その実証実験で得られた技術的な課題なども具体的に述べた(写真2)。1人1台のタブレットを利用した学習のために、多くの実証校でサーバーが学内に設置されたが、煩雑な管理作業やコスト負担などの課題があり、サーバーは教育委員会などに設置して共同で利用することが必要とし、システム更新作業の点からクラウドサービスを有効活用すべきだとした。

写真2●フューチャースクール推進事業の実証実験で得られた技術的課題

 また電子化された教材が個別に機能を実装し、ユーザーインタフェースなども異なることから、横断的に電子化された教材が使えるように連携することの必要性や、クラウドを活用することによる家庭学習と学校との連携などを述べた。こうしたクラウド環境や教材の連携などに必要なのが標準仕様であり、そうした役割を担う団体として、2月2日に発足した「ICT CONNECT 21(みらいのまなび共創会議)」(関連記事)についても触れた。