「情報技術は変化する。変化に対応しなければならないという“メタ認知”を持ってもらわなければ」――。2015年3月17日から19日、京都大学で開催された情報処理学会 第77回全国大会ではビッグデータなどと並び、教育とICTに関する話題も活発に議論された。冒頭の発言は、18日午後のセッション「大学の一般教育における情報教育で何を学ぶのか」で講演した京都大学 国際高等教育院 学術情報メディアセンター 教授・副教育院長の喜多一氏が大学の情報教育のあるべき姿を説明した際の一言だ。

 このセッションに先立ち、17日には高等学校共通教科の「情報」について活発な議論が交わされており(関連記事:「IT人材不足だからプログラミング教育をするのではない」、初等中等情報教育で白熱した議論)、その“大学版”に位置付けられるのが、「大学の一般教育における情報教育で何を学ぶのか」である。

 同セッションは前半の講演と後半のパネルディスカッションで構成され(写真1)、前半は奈良女子大学 生活環境学部 教授の駒谷昇一氏が司会を務め、東京国際大学 商学部 教授の河村一樹氏、前述の京都大学の喜多氏、広島大学 情報メディア教育研究センター 准教授の稲垣知宏氏、長崎大学 ICT基盤センター 教授・情報基盤デザイン部門長の野崎剛一氏が、大学における情報教育の取り組みなどを講演した。

 後半のパネルディスカッションは、司会を福井県立大学 学術教養センター 教授の山川修氏が務め、広島市立大学 大学院情報科学研究科 教授の北上始氏、大阪工業大学 情報科学部コンピュータ科学科 教授の中西通雄氏、北海道大学 情報基盤センター メディア教育研究部門 教授の布施泉氏、拓殖大学 工学部 教授の佐々木整氏が登壇した。

写真1●情報処理学会 第77回全国大会のセッションの一つ、「大学の一般教育における情報教育で何を学ぶのか」でのパネルディスカッションの様子

 まず河村氏が情報処理学会の一般情報教育委員会(前一般情報処理教育委員会、以下委員会)の活動の経緯を説明、最近の取り組みとして一般情報教育の全国実態調査を実施し、その調査報告書を予定していることなどを紹介した(情報処理学会誌「情報処理」2014年12月号、同2015年1月号の教育コーナー「ぺた語義」で全国実態調査を解説。教育コーナー「ぺた語義」のサイトで同記事のPDFを公開している)。