教育現場でのICT(情報通信技術)活用に積極的な自治体による取り組みの発表が、2015年3月26日に行われた。総務省と文部科学省が連携して実施する、「先導的教育システム実証事業」および「先導的な教育体制構築事業」の2事業の成果報告会の一幕である。児童生徒一人一台のタブレット活用にいち早く取り組む東京都荒川区や佐賀県などが、取り組みの現状や今後に向けての計画を明かした。

 「先導的教育システム実証事業」および「先導的な教育体制構築事業」は、2014年から実施されている事業。デジタル教材や学習履歴の記録などの機能を持つ「学習・教育クラウドプラットフォーム」を活用した実証研究を、福島県新地町、東京都荒川区、佐賀県の三つの自治体が展開している。

 東京都荒川区は2014年から、全区立小中学校で1万台近くのタブレット型パソコンを活用している。2015年度は、クラウドを活用した学習環境の充実をさらに進める計画だ。例えば、学習履歴などのビッグデータを基に「学習カルテ」を作成し、個人の学習課題を明確にする(写真1)。授業のポイントを解説するビデオクリップや、手書きの答案を自動採点できるドリル型コンテンツを使って、課題克服の支援をするという。荒川区が独自に構築するプライベートクラウドを用いてビデオクリップをキャッシュし、大勢が一斉に再生しても問題が起こらないようにする工夫も始めている。

写真1●「学習カルテ」を基に、児童生徒の学習を支援