いずれもプログラムは校内のPC教室のパソコンで個々の生徒が作成したが、EV3の台数は生徒数よりも少なかったため、生徒が代わる代わる動作確認するといった形になった。だが、逆にそのことが生徒同士が困ったことを教え合う協同的な学びにつながったという。タッチパネル式自動販売機の作成では、「当たり判定機能」を自ら考案して追加した生徒も登場。生徒が自発的に高度な課題に取り組んでいる姿が見られたという。

 一方、小学校では教師とメーカーとが話し合い、国語の授業にプログラミング教育を取り入れた。「国語の単元にレポートを書こうというのがある。レポートを書くに当たってレゴのレポートを書こうと。そのためには調査をしなければならない。レゴのプログラミングの教材を遊びつくし、その調査した内容をメーカーに送付するという授業を組み立てた」(渡邊氏)。

 使用したのは、レゴの児童向けプログラミング教材である「レゴ WeDo 2.0」。児童はグループでロボットにどういった動作をさせるかを話し合ってプログラミングを実践。センサーなどの動きを理解し、レポートにまとめた。この授業を通して児童は、例えば水門が開く仕組みなどにもプログラムが動いていてセンサーに反応して動く、といったことを理解したといい、「中学校に接続できるような成果が出たと評価している」(渡邊氏)。

相模原市立の全小学校で9月以降にプログラミング授業

 相模原市では今後、(1)プログラミング教育の具体的な指針の作成、(2)教育委員会主催の教職員向けの研修、(3)プログラミング教育を実現する環境整備――に取り組む。(1)については、中学校へとつながる学習例、例えば算数や理科の指導要領の内容を検討して項目を抽出、中学校段階にうまくつなげられるものを作れないかを検討している。

 (2)の研修は授業力の向上を目的とするもの。7月には同市の小学校全72校の4年生の担任の教諭を対象にプログラミングの授業作りを研修し、9月以降、実際の授業に取り入れる。「おおよその数」を利用した授業をしたいとしている。

 (3)の環境整備については、中学校はレゴマインドストーム EV3を全校に導入する予定である。小学校は現在検討中で、機器を使わない“アンプラグド”のプログラミングの授業を紹介していくとともに、機器についてはWeDo2.0の導入などを検討中である(写真4)。

写真4●相模原市が導入を検討しているプログラミング教材