学内システムのクラウド移行で大幅にコスト削減

 もう1つの目玉となるクラウド移行は、驚くことに2015年4月~9月の半年間で作業を完了。移行先はマイクロソフトの「Microsoft Azure」だ。Azureを選択したのは、大学の財産であるコンテンツ所有権確保を担保してくれたこと、日本国内の法律に準拠すること、所轄裁判所も日本であること、Officeアプリとの親和性の高さ、といった理由による。決定前、教授会からはセキュリティや信頼性、個人情報漏洩の不安などが上がったそうだが、「結果的にはクラウドに移行したことで、セキュリティ面もサービス品質も向上した」(大山氏)。

 その恩恵以上に大きかったのが“コスト削減”だ。クラウド移行前はキャンパス内に40台のサーバーを抱え、電気代も膨大なものとなっていたが、サーバー撤去により年間500万円弱の削減が見込めるとした(写真2)。また情報関連の経費も大幅に削減。現在、7部屋450台で運用するパソコンルームは、今後2年間で全学生にパソコンの貸与が完了することから廃止する方向で動いている。これにより、従来は年間2億円の支出が、今後数年間で1億円程度まで圧縮できるとの見方を示した。

写真2●学内システムのクラウド移行により大幅な経費の削減が見込める

 加えてクラウド上で仮想マシンを管理することにより、学内の繁忙期と閑散期を区別し、柔軟に稼働状況を調整。この調整による経費削減も効果的だとする。大山氏は、「こうした機能はオンプレミスでは無理。クラウドならではのメリットだ」と語った。削減の結果として生まれた余剰金は、貸与するパソコンの原資に充てる。こうして同大学ではIT化による相乗効果を生み出し、学生の学習効果と大学の経営面でプラスのサイクルが回り始めている。