阿部氏は、まず、MESHの基本的な使い方やMESHの活用例に触れながら、「今日の研修会の最大の狙いは、子どもたちが『アイデアを実現できた』という体験をできるようにすること」と強調。続けて「子供たちは、思いついたことや絵に描いたことが『本当に動きだす』という経験をするこがとても少ない。そこを刺激してあげるように導いていただきたい」と、今回の研修会の目的を述べた。

 子どもたちが思いついたアイデアをカタチにする、そのために役立つのが、MESHのGPIOタグや拡張基板だ。市販のモーターやセンサーなどを接続し、音に反応してモーターを駆動させるというように機能を拡張できる。今回の研修会では、GPIOタグに接続できる照度センサーなどの機材も用意されていた。ただし、阿部氏は、「この機材を使えば何ができるかと、『機材ありき』では考えないでいただきたい」と指摘。「考えるべきは、『どんなアイデアを実現したいか』ということ。アイデアを膨らませることが大切で、その実現をサポートするのが機材ということを忘れないで取り組むこと」の大切さを語った。

 続けて、阿部氏は、子どもたちが興味を持つようなカリキュラムの作成には、「何よりも自分たちが実際に手を動かし、子どもたちの立場から面白いかどうかを体験してみることが大切」とし、参加者を2~3人で1つのグループに分け、実際にMESHを使った電子工作教室を実践してみせた。

アイデアを「出し合い」「カタチにして」「伝える」

 阿部氏は、電子工作教室を指導するにあたっては、カリキュラムをあれこれと考えるのではなく、「アイデアを出し合うこと」、「それをカタチにすること」、そして、「カタチにしたアイデアを発表し伝えること」の3要素を、「指導者が自ら体験してみることが大切」とした。

 その中でも、子ども向けワークショップでは、アイデアを出し合える雰囲気を作ることが意外に難しいことに触れ、「日常生活の中であれができるといいな、これができるといいなと考えて欲しい」とアドバイスした。阿部教授は、アイデアの出し方として「朝になったら…、冷蔵庫のものを…、ゴミを捨てたら…、というように具体的に考えていくこと」とポイントを示した。例えば、「朝になったら…」「ゴミを捨てたら…」に続くこととして、「何かしゃべる」「回転する」「明かりがつく」といった反応とを結びつけることでより具体的になるという。