また、パソコン教室を運営している男性と子ども向けワークショップを実施している女性のグループでは、MESHをドアチャイムとして設置し、ボタンを押すと、「ただいま不在にしています」という音声が流れるアイデアを発表。タブレット端末で訪問者の顔写真も撮影でき、しかも来訪者があったことを電子メールで居住者に知らせてくれる仕組みも追加されていた。

デジタルデバイスで「何を創造するのか」

 子ども向けのワークショップの運営に関して阿部氏は、「考えついたアイデアを他人にどう伝えるかも重要」と語り、各グループでの発表と投票についても説明した。その方法は、例えば2人1組のグループなら、1人が投票のために各グループを周って説明を聞きに行き、もう1人が自分のグループのアイデアの説明員として残るという方法。途中で交代することで、全員が投票者として各グループの説明を聞きに行き、同時に説明員の役割もこなすことになる。説明がうまい子ども、知識が多い子どもばかりが説明係りとなってしまうことをなくし、全員が等しく説明を聞き、プレゼンする機会を与えられるようにする工夫だ。

写真3●午後に行われた子ども向けワークショップ

 午前中の研修会の最後に阿部氏は、実際にある公立学校で導入されたタブレット端末を活用した授業について紹介。ICTを活用した教育の難しさについて述べた。「タブレット端末に選択式の問題が表示され、回答を選択すると即座に正解か不正解が表示される。不正解なら子どもは次々に答えをタップしていく。つまり、考えなくてもタップするのが素早いと短時間で全問正解になってしまう」という。意味がないICT教育が実践されているケースもあるのだ。「大切なことは、子どもたちに『何をさせたいのか』ということ。多くの子どもたちはデジタルメディアやデバイスを使いこなすことはできても、それを使って何かを創造することはしていない。そこが考えるべきこと」と指摘し、午前中の研修会を終えた。

 研修会に続いて行われた子ども向けのワークショップでは、20人弱の子どもが参加(写真3)。研修会の受講者が1人ずつファシリテーターとしてつく形で、グループごとにMESHを活用した電子工作を楽しんだ。MESHの電子工作は全員が初体験だったが、ふたを開けると光るギフトボックスや飛行体が飛び交う未来の都市などユニークな作品を作成、午前中の指導にならってお互いに説明し、評価しあった(写真4)。

写真4●子どもたちが作った電子工作の数々
■変更履歴
当初の記事では、ソニーの萩原氏の所属部署名が違っておりました。お詫びして訂正します。本文は修正済みです。 [2015/10/21 8:40]