フクオカRuby大賞および福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ賞の表彰式などで構成するイベント「Ruby・コンテンツフォーラムFUKUOKA 2016」が2016年2月9日、福岡市内のホテルで開催された。

 今年で8回目を迎えたフクオカRuby大賞は、Rubyを活用したビジネスの促進やRubyの普及拡大を目的に、Rubyおよびその軽量版であるmrubyを利用した優れた取り組みを表彰するコンテストである。一方、福岡ビジネス・デジタル・コンテンツ賞は福岡から世界に発信するコンテンツを発掘するのが目的だ。いずれも福岡県Ruby・コンテンツビジネス振興会議が主催する(フクオカRuby大賞は、上記に加えて福岡県も主催)。

写真1●小川 洋福岡県知事は「県内企業のRuby関連の売り上げが増えている。県内ソフトウエア産業が振興するよう今後も注力していく」とイベントの冒頭で挨拶した

 イベントの冒頭で小川 洋福岡県知事は、「使いやすいというRubyの強みを組み込みに生かした製品が県内の企業で次々と生まれている。世界を視野に、Ruby関連製品、および、コンテンツ産業の育成に力を入れていきたい」と挨拶した(写真1)。

 今回のフクオカRuby大賞・福岡県知事賞に選ばれたのは、「3次元幾何演算スクリプト環境『siren』の開発」(山口 大介氏、写真2)である。

写真2●『3次元幾何演算スクリプト環境「siren」の開発』でフクオカRuby大賞・福岡県知事賞を受賞した山口 大介氏

 sirenは3次元モデリング・解析システムである。複雑な形状を簡単に定義できるうえ、物体の面積・容積計算、重心位置計算、ブーリアン演算などもできる。フクオカRuby大賞の審査委員長を務めるまつもとゆきひろ氏は、「3次元幾何処理をmrubyで行うというsirenに、mrubyでの新たな業務の可能性・将来性を感じた」と講評した。

 sirenと大賞を競った優秀賞の3作品には、電子投票プラットフォーム「仮想通貨のブロックチェイン技術によるP2P型の電子投票システム『Congrechain』」(Blockchain研究チーム)、オープンソースのRubyコマンドラインツールセット「fastlane」(Felix Krause)、サーバーサイドとクライアントサイドの両方でRubyを活用したWebフレームワーク「Volt」(Ryan Stout)が選ばれた。

 フクオカRuby大賞の全ての結果は、こちらから閲覧できる。

 「Ruby・mrubyの最新動向」と題して講演したまつもと氏は特にmrubyについて多く言及、「mrubyを素材としてさまざまな活用法が出てきている。電子百葉箱やインターネット・ルーター、ロボット、人工衛星などのようにデバイス組み込みのものもあれば、HTTPサーバーやゲームのようにアプリに組み込まれているものもある。さらには私の予想を超えた意外な活用法として、例えば、コマンドラインアプリ生成ツールや、sirenのように3次元幾何処理をmrubyで行うものも登場している。今後も開発者の皆さんのアイデアが主体となって、mrubyを素材として活用していただければと思う」と述べた。