同チームが分析に使用したデータは、同校1年生女子生徒とその父親を対象とした親子関係のアンケートや各家庭の家族写真などのほか、ベネッセ教育総合研究所 次世代育成研究室の「首都圏・地方市部ごとにみる乳幼児の子育てレポート」、平成22年国勢調査、日本放送協会(NHK)の「2010年国民生活時間調査」報告書を活用。

 こうしたデータを、米マイクロソフトの表計算ソフト「Excel」やデータ分析ツール「Power BI」、さらには前述の感情認識機能なども使いつつ、得られた分析結果を基に、父親の行動を促すためのアプリを提案(写真5)。さらに調査・分析から判明した父親に身に付けてほしい「子育てサバイバル術」を紹介し、プレゼンテーションを締めくくった(写真6)。

写真5●父親の行動を促すためのアプリを提案
写真6●父親に身に付けてほしい「子育てサバイバル術」を紹介

 審査委員長を務めた慶應義塾大学 環境情報学部 学部長の村井純教授は、同チームの最優秀賞受賞について、「圧倒的な優位で決まった。データの分析にしても、例えばエモーション・レコグニション(感情認識)を使って裏付けにしているのは新しく、さらに『ジョハリの窓』など道具立てを使って議論を進めていくところもとてもよかったと思う(写真7)。最後に家庭内を戦争になぞらえて、子育てサバイバルを教えていただいた、ということで父親たちにとって心強い結論にもなっていた」と講評した。

写真7●「ジョハリの窓」の窓を使って父親と娘の間のコミュニケーションの問題を探る

 「ジョハリの窓」は、人の行動変化を促すための手法で、4つの窓(Open、Hidden、Blind、Unknown)に自分を分類して気づきを得るもの。同チームではジョハリの窓を使って父親と娘の間のコミュニケーションの問題を探り、両者間で性格の理解に対する不一致があることを示していた。

 富山国際大学付属高等学校はICTを活用した教育を推進しており、これまで順次タブレット端末「iPad」を導入して授業に活用してきた。生徒は普段からiPadを用いてプレゼンテーションする機会などが与えられているという。2016年度からは全生徒がiPadを持って授業に臨む。

 同コンテストは最優秀賞のほか、優秀賞、高校生部門賞、マイクロソフト賞、未来創造賞、審査員特別賞を用意。優秀賞は市場の需給で待機児童削減を実現するための仮想通貨「マミー」を提案した「Data & Peace」(代表者の学校は早稲田大学)、高校生部門賞は子育てする母親、パートナー企業、高校生をつなげる新たな託児所運営を提案したチーム「恵比寿さんず」(長野県屋代高等学校)が受賞。

 マイクロソフト賞は子育て費用やいったん退職した母親の再就職状況などから考案した就業支援のための「ママ塾」を提案したチーム「3L」(成蹊高校)、未来創造賞は育児用品などのリサイクルを通して“ママ友”が知り合うきっかけを作るサービスを提案した「BMS」(早稲田大学)、審査員特別賞は子育て問題を改善して利益を得られるような仕組みを提案したチーム「J-girls」(捜真女学校)が受賞した。

 次回のデータビジネス創造コンテストは、「地方活性化 ~訪日外国人データを活用して地元を盛り上げよう~」をテーマにアクセンチュアがビジネスパートナーとなって開催する予定である。