自治体の首長を中心に、ICT(情報通信技術)を活用した教育の推進を目指す組織「全国ICT教育首長協議会」が2016年8月3日、都内で設立発表会を開催した。会場には、発起人となる自治体の首長、行政や企業の教育関係者など約170人が参加した。

 全国ICT教育首長協議会の発起人になったのは、福島県郡山市、茨城県つくば市、東京都荒川区、長野県喬木村、滋賀県草津市、大阪府箕面市、奈良県葛城市、佐賀県多久市、佐賀県武雄市、熊本県山江村の10自治体の首長。8月3日時点で、全国94の市区町村が趣旨賛同自治体として協議会に参加している。「自治体相互の緊密な連携のもと、先進的ICT教育の研究および具体化を図ることにより、教育の質的向上に必要なICT機器の整備および制度改革の推進」を目指すという。

設立発表会に参加した自治体の首長と関係者
自治体の首長、行政や企業の教育関係者など約170人が参加した

 設立発表会では冒頭、発起人代表として、つくば市の市原健一市長が登壇。「21世紀のグローバル社会と情報化の流れの中で活躍できる人材を育成するためには、ICTを活用した新しい教育が必要であるという考えのもとで各自治体で取り組んでいる。しかし、ICT教育に対する理解や、ICT教育環境の整備はまだまだ十分ではない。これらの整備には多額な費用が掛かり、一自治体で推進するには困難な状況にある。趣旨に賛同いただいている皆さんと共に、日本の教育水準向上のためにICTの整備・充実を目指していきたい」と挨拶した。つくば市は2015年11月に、「つくば市ICT教育全国首長サミット」を開催した。サミットには、つくば市の呼びかけで全国55自治体の首長が集まり、ICT活用教育の推進をうたった「ICT教育全国首長サミットつくば宣言」を採択した。今回の協議会は、この首長サミットの取り組みが母体となっている。

 来賓として挨拶した文部科学大臣政務官の堂故茂氏は、「ICTとしっかり向き合って、人間性豊かな人を育てることが教育の現場で求められている。学校間格差、自治体間格差をこのまま放置すると大変な社会問題になるという心配がある。学校の施設の整備を含めて、人づくりに取り組んでいただく中で教育の情報化を取り入れていただくことが大事だと思う。国としてもしっかりと方向付けしながら進めていきたい」と述べた。

発起人代表として挨拶した茨城県つくば市の市原健一市長
来賓として挨拶した文部科学大臣政務官の堂故茂氏