美術の授業でのタブレット活用も興味深い。スーラの名画「グランド・ジャット島の日曜日の午後」をタブレットPCの画面で拡大表示し、生徒は気付いたことを周りの生徒と話し合いながらワークシートに書き込んでいく。ディスプレーに画像として表示される絵画は極限まで拡大できるため、紙の教科書や画集では見つけられない背景の小さな人物や色使いまで認識できる。デジタルならではの鑑賞法だ。グループを代表して発表した生徒は、背景に紛れ込んだ正体不明の物体や明度の違いなどを指摘し、この絵に込められた画家の意図について意見を述べていた。

スーラの名画をディスプレー上で拡大して鑑賞する。紙で見たのでは気付かないことが浮かび上がってくる

 川崎高等学校の英語表現Iの授業では、数人のグループに分かれ、1人ずつタブレットPCを使いながら英語でプレゼンテーションをした。生徒は「デートで行きたいところ」や「楽しそうな旅行プラン」といったテーマで作成したスライドをタブレットPCで見せながら英語で説明したり、聞き役の生徒たちに英語で同意を求めたりして積極的にコミュニケーションを取っていた。それは英会話や「PowerPoint」の練習ではなく、付属中学校で掲げている目標「ダイバーシティコミュニケーション能力の育成」の延長線上にあるという印象を持った。

高校での英語表現の授業。各自がパソコンを使って自分の意見を英語で伝える

 同校ではこれ以外にも、例えば国語で生徒たちが文章にマークした箇所を共有する、数学で図形作成ツールを使う、体育や書道で動画を撮影する、情報の授業で3DCGのアニメーションで表現するなど、幅広い教科でICT活用授業を実践している。